｢待てや桐生ちゃん！今日という今日は逃がさんでぇ！｣
｢っ、くそ…勘弁してくれ兄さん！｣
｢うっさい！絶対捕まえたる！！｣


──あの夜の事があってから数ヶ月、当然と言えば当然ではあるが桐生は真島を避けていた。勿論同じ東城会という組織に身を置いている関係上完全に顔を合わせないというのは無理がある、それ以外で真島を見かければ声を掛けられない内にその場を去ったし、出来るだけ彼の目に入らないよう気を遣って動いてきた。

酷いことをされただとか、軽蔑しただとかそういう感情ではなく、ただただいたたまれないのだ。言いくるめられたとは言え合意の上での行為ではあったが、まさかあれ程あられもない声や姿を晒すとは思っていなかった。

新刊設定案◆三井家◆
家：東京寄りの神奈川県にあるちょっと広めの一戸建て（三井家実家）
車：ワーゲンのミニバン（5人乗り）

パパ・寿（29〜30歳）
外資系スポーツメーカー日本法人の営業担当リーダー。
英語能力はそこそこなのに本国社員との渉外能力に定評アリ。
実業団で活動していたが現在は引退して仕事と家庭第一（練習は時々見に行く）。
同社開発部所属の松本君とは大学時代からの腐れ縁。
最近の悩みはアンナがあんまり名前を呼んでくれないこと。

ママ・アンナ（26〜27歳）
保育園の管理栄養士。
育休中も新しいレシピの考案や献立表のイラスト練習などキャリア維持の努力を惜しまない。
4歳児と0歳児の育児に追われつつも、夫や母親のサポートを受けつつ奮闘中。