うたたねむりひめ二人だけの秘密の場所、星見のテラス。
この自然豊かな丘の上で、彼女は自分の肩を枕に眠ってしまった。
綺麗に生え揃ったまつ毛、リップの塗られた艶やかで柔らかく膨らんだ唇。絶妙な近距離で誘惑して来るそれらへ、奪うように口付けてしまいたいけれど。意識を手放した無防備な顔は何処までもあどけない少女そのもの。いくら自分が悪党でも起こすのは可哀想だ。
右手の手袋を外す。左手は腕ごと彼女に寄りかかられているので、手袋を噛んで引っ張った。
外気に晒されて涼しくなった右手で、キスの出来ない頬にひた、と触れる。白く繊細で柔和な肌触りを受け、異様に自分の顔が熱くなった。心音が一気に早く鳴り響く。
愛しさが心の中で溢れ出し、理性を決壊させる。
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