視えすぎるのは疲れるんだよ。
「見えざるもの」の周りには大抵そいつらの「念」が蠢いている。視界に映り込むそれは知らずしらずのうちにオレの精神をすり減らしていく。
ある夜、オレがソファに横たわりぐったりしてるとエドが何かの箱を手渡してきた。同時にボイスレコーダーが再生される。
[これを掛けてみてほしい。レンズにエーテルの透過率を下げるコーティングを施してある。全く視えなくなるわけではないがね。]
[たまには情報を遮断して休息することも必要だ。ちなみにデザインは凛子が選んでくれた。早速試してみてくれ。]
箱を開けると中に入っていたのはなんの変哲もない伊達眼鏡。エドに言われるままに眼鏡をかけ霊視をすると、先程からエドの後ろをふらついている霊の輪郭がぼんやりと霞んだ。
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