雑土 お出かけの準備(どうしてこんな事に…?)
日曜日の早朝、土井半助は目を白黒させながら周りに振り回されていた。
起き抜けの体をそのまま、三人に良いようにされている。
「どうだ?タカ丸」
「うーん、どうでしょう。もっと早くに言ってくれれば、もっと素敵に仕上げられたんですけど〜」
「そこは致し方あるまい」
頭上では立花仙蔵と斉藤タカ丸が、何やらを話している。髪の毛を梳かれ何かを塗られ引っ張られ、いい加減首が痛い。
「半助、アンタ他に服は持っていないのかい。全部草臥れちゃってるじゃない」
向こう側では、山田伝蔵が衣服を入れている籠を物色しながらブツブツ呟く。忙しないその後ろ姿にはぁ、と力無く天を仰いだ。
「本当になんでこんな事に」
「アンタがデートに行くからでしょ!」
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