気持ちの話 ※ivti「あいつら、いつかぶっ殺す」
ティルは昨夜、寮に戻っていなかった。朝食の時間になって、目の下をいつにも増して暗くした彼が姿を見せたので、おかえりと呟きながらじっとその顔を見つめる。
今日も、赤かったり、青かったり、忙しい。目の下のかすり傷にはまだ新しいかさぶたがくっついていて、周辺も、ところどころ腫れ上がっている。いちばんひどそうな唇の横の青紫色のところは数日前にこしらえてきていたもの。血の色が見えている頬へ、今日はここを叩かれたんだなと手を伸ばす。そっとなぞるように指先を滑らせた、そのときだった。
ぱし、と手首ごと掴まれた。すぐに振り払われるだろうと思ってぐっと肘から先に力を込める。だが意外にも、解かれない。おかしいなと思っているとティルがなにやら口をもごもごとさせはじめた。
2163