運命の人はオレのものK暁 ホワイトデー
差し出された一輪のバラと小箱に目を見開く。
正直なところ、ホワイトデーにこうして何か貰えるなんて考えてもいなかった。バレンタインはお互いが贈りあった形だったから、それで完結したと思って何も用意していないのだ。
そんな焦りが顔に出ていたのか、KKが吹き出して笑い出す。
「オレが勝手にやったことなんだから気にしなくていい。いいからこっち開けてみろよ」
「でも、…あ、キャンディ?」
「カゲリエに花買いに行ったら売ってたんだ。オマエ戦うときによく糖分摂るだろ」
「最近は減ってきてるけどね。…ありがとう」
カラフルなキャンディの箱からひとつ赤いキャンディを取り出し包装を解く。宝石のようなカットをされたそれを口に含むとふわりと苺の甘みが口いっぱいに広がった。
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