一緒に暮らしてみないと分からない相手の癖、というものがある。
食器の並べ方や洗濯物の干し方、果てはトイレの蓋の開け閉めなどなど上げてみれば枚挙にいとまがないが、これはわからないなと思ったのは寝るときの姿勢だ。
「おやすみ、KK」そう言って俺の頬にキスをするとそのまま暁人は布団に潜り込む。そうして頭まですっぽりと布団を被り手足を丸めるとこちらに背を向け、眠る。
おいおい、それじゃかわいい寝顔が見れねぇじゃねえか…。
というのもなんとなく憚られたので、窒息しないのか、と聞いてみた。「昔からこうしてないと寝れなくて」と照れたような声で言われると、寝顔が見たいのに、なんてことは言えなくなってしまう。
…まぁ人それぞれだしな。小動物のように丸まった暁人の寝息と体温を感じているうちに俺もつられて眠ってしまう。
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