ニカ「私が若くて元気だったら、あなたともっと一緒にいられたのに」
ユークの育ての親であるニイカが亡くなる直前に残した言葉。そこからメインポーンのニカは形作られた。
だが、ユークから求められたものはなかった。役割も求められず、誰かの代わりにもされず、呼び捨てで呼ぶように言われた以外、命令される事もなかった。希薄で意思を持たぬニカだったが、ユークと行動を共にするにつれ、次第に自由に振る舞うようになっていったのである。
だが、覚者のユークが国から不条理な扱いを受けるように、ポーンであるニカもまた不条理に晒された。
かつて、ポーンが人間を虐殺する大事件が起こり、それによってポーンは国から淘汰された。リムは取り壊され、ポーンの使役は禁止されていたのである。血塗られたポーンの歴史がニカの存在を許さなかったのだ。