桜の下には夜明けが埋まっている「う~ん、う~、あー」
ロナルドはノートパソコンを前にし、唸りながら書いては消して、書いては消してを繰り返していた。
現在ロナ戦番外編の執筆中である。締め切りまでまだ時間はあるが、いつも余裕がなく、あわやカラッと揚げられるという事態になってしまうので、事務所が休みである本日、少しでも進めてしまおうとしているところだ。
そんなロナルドをドラルクは憐れみとからかいの目で見ていた。余裕を持ってできるのであれば、毎度毎度ギリギリで原稿を仕上げる事態になっていない。ただの悪あがきと自己満足だ。
「あ?」
さて今日は何をして執筆の邪魔をしようかと考えていると、ふいにロナルドが顔を上げ、机の上で何かを拾っている。
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