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    一般寄生蛍

    火ボタルでありおもり好きの蛍です。ワンク用

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    一般寄生蛍

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    星エマ(のはず)
    文字数稼ぎがあるから本文は少ない()

    エマを撫でてる星華の星エマ(+)ワタシがエマと出会ってからかなり経ったと思う、この頃にもなるとエマのワタシに対する警戒心が分かりやすく薄れている。
    夜中でだけ姿を見せることを許した機械の少女はワタシの気配を察すると尻尾が上がって見えるようになった、ほんとに耳と尻尾だけは分かりやすい。
    …そして今、強制スリープで意識が落ちたのだろうエマがそこにいた。
    「全く、ここだって安全とは言いきれないんだからちょっとは警戒してほしい…」
    聞こえないだろうけどそんなことを言う、そして丸まって寝ているエマをどうしようかと考えていた。
    「…寝てればおとなしいんだよね」
    エマの耳を触りながら独り言を発する、エマの耳は機械とは思えない触り心地で本物の猫みたいだった。
    こう、ここまで猫に近いと撫でたくなってくる。いやでも…と止めようとするワタシと寝てるしいいでしょというワタシが戦っていた。
    …まあ、寝てるしいいでしょというワタシが勝った。
    エマの頭を撫でる。ちょっとふわふわとしている髪もまた心地良い。
    「アンタが人殺しには、全然見えないな」
    言動も何もかも実際に人を殺したことがある者の発言ではなかった。むしろその気になれば一捻りであろう人間に怯えているとまで思える、不思議だな…エマって。
    「…?星華?」
    「あ…エマ、起きたんだ、おはよう」
    「あーおはよう…ん?」
    いま撫でられてることに気付いたエマは逃げ出そうとはせずも少し驚いていた。
    「ちょっ…星華?なんで?」
    「アンタが本当に猫みたいだからさ、ついね」
    「…」
    エマはジト目でこちらを睨み付けながらも尻尾は嬉しいを表していた、ほんとに素直じゃないんだから…
    「まあでも、アンタが嫌って言うまでやめるつもりないよ」
    「…嫌ではない」
    ちょっと目を反らしてそう言うエマ、かわいいなと思う。
    「…じゃあこのまま撫でさせてもらうね」
    そう言った後再びエマを撫で始める。時々身体をぴくりと震わせるエマも新鮮でいい。
    エマも気持ちいいと思ってくれたのかこちらに身を委ねてくれている、そしてゴロゴロと喉を鳴らしていた。
    エマも喉鳴らしたりするんだ、そこまで猫なんだな…と思いつつもそこまでリラックスしてくれてることが嬉しい。
    当の本人は自分から発せられた音に困惑の表情を浮かべたけど。
    「…?いまの、え?はじめてなんだが…?こんな風に喉鳴らすとか…俺は…星華に撫でられて…こんな…こんな…」
    「ま、そういうことなんじゃないの?」
    「…っ」
    ちょっと恥ずかしかったのかエマは腕で自分の顔を隠していた。
    「…っ!もういい…っお前には偵察の仕事があるんだろ?それはいいのか…?」
    「…あー…そう…だね…ワタシが偵察怠ったせいでなんかあったら怒られるのはワタシだし…わかったよ、エマ。…じゃあ」
    少し間を空けて
    「また良ければ撫でさせてね」
    と言って偵察に戻ることにした、途中エマの声が聞こえたがよく聞き取れなかった。

    おまけ、あの事件のフラッシュバックを起こして人間に触れられないエマと少しずつでいいからそれを改善させたい星華の星エマ

    「…っはぁ…」
    「やっぱりまだ、難しい?」
    また、ダメだった。この町に降りてきた時出会った人間…星華とこうして触れられるようにしているがどうしても手は離れてしまう。
    こわい、人間の体温を感じるとあの時の記憶が、人を、大河を殺したあの記憶がずっと頭の中をループして、苦しい、そんな感情に飲まれて手を離してしまう。
    「ねえエマ、なにもそんな無理にやろうとしなくても…」
    「ダメ…なんだ、これは乗り越えないと、確かに俺は人間がずっとこわいんだ、すぐ壊れるからこわいんだ、わからない、わからなくて…でも…」
    でも、それでも、星華ははじめて『友達』と呼べる存在だから…俺は…
    フラッシュバックのおかげで気分は最悪だけどそれでも尚星華の体温を感じていたいと思えてしまう。
    結局全てに怯えることしかできない俺を見ている星華が口を開く。
    「…どうして暴走してたときのやつがフラッシュバックするのかとか、色々あるけど…まあワタシにとってもアンタは『友達』だから、大丈夫、友達じゃなかったらここまでやらないし」
    そう言いながら微笑んでくれる、ちょっとだけ、安心できる。
    人間の悲鳴と静かな環境音しか聞いたことのない俺の耳に優しい声を届けてくれた、いまもなお俺を苦しめ続けてるあの感覚と冷たい壁と地面、そして作り物の俺の身体しか知らなかったこの手に一瞬でもぬくもりを与えてくれた。俺は…星華に与えられてばっかりだ、だから頑張らないと、異能ではどうしようもできない、そんなことだけど…
    「…星華」
    「ん?」
    「ありがとな、これから俺、少しでも乗り越えられるように頑張るから、そしていつか…いつか乗り越えられたら…その時はいままで俺が星華にもらった分全部を返させてくれ。どうしようもない人殺しだけど…これからもよろしくな」
    「…そっか、その時を楽しみにしてるね。これからもよろしく」
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