三者面談出されるプリントをこなし、予習をして単語を暗記。小テストは毎回行われ、中学3年の授業は思った以上に進みが早かった。社会科では白紙のプリントに数人でテーマに沿った話し合いの結果を書いていく。それによって論理的な考えを構築していく等、ただ覚えるだけでない授業に千寿郎は難しさと同時にやりがいを感じていた。
今迄どの教科に於いても平均点を出し、高等部への進学に大きな問題は無いと思っていた千寿郎だが、ここ最近はそれが怪しくなってきた。
余り得意ではなく共何とか付いて行った体系数学Ⅰ、Ⅱは中3になると基本問題が減り、反復して解法を身に付けていく厳しいテキストに変わった事で躓き始め、少しずつ焦りを感じていた。
数日後には三者面談を控えている。千寿郎は良くも悪くも平凡で平均だった。兄の杏寿郎に比べ目立つ事も、何かに秀でる事も無いが真面目に授業を受け、委員会の仕事もこなし、友人も居る。
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