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    背中のふろしきもかわいい🥳

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    recommended works

    sena

    MOURNING支部の下書きからサルベージ。
    最早投稿したのかも謎なので、ここにあげてみた。若干加筆修正しましたが、話の本筋は変わってないので、まぁいいでしょう(?)
    誘い文句にお応えしませう「何だか、口寂しくありませんか」

    ソファで寛ぎながら、平然を装ってそんなことを告げた。脈略のない僕の言葉に、隣り合ってテレビを見ていた兄はぴたりと動きを止める。時間にして僅か二秒足らず。兄は首だけでこちらに向き直った。左横からは熱いくらいの視線が突き刺さるが、僕は前方のテレビを見る振りをして動かない。

    「千寿郎」

    せっかちな兄が僕の名を呼んだが、それにも答えない。兄を無視している訳ではない。先程の自分の発言を無かったことにしたいだけだ。見えない矢印が僕の左半分に突き刺さっているが、あくまで気付かない振りを続ける。うん、テレビのチャンネルを変えて誤魔化そう。そう考えてすぐ横のリモコンに手を伸ばしたが、碌に見ずに掴んだそれは、リモコンではなかった。ごつごつとした節ばった指が誰のものかなんて、すぐ分かる。慌てて掴んだ手を離したが、もう遅かった。指の隙間に節ばった指が滑り込み、がっちり絡んで離れない。力が入っていなさそうなその指は、どんなに振り解こうとしても全く揺るがない。そもそも兄に力で勝てる筈もなく、諦めて力を抜けば左隣から小さく吹き出す声が聞こえた。流石にもう気付かない振りは通用しない。おずおずと左を見れば、隣に座る兄は至極楽しそうな顔をしていた。
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