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    hinaterukure

    @hinaterukure

    運命の巻戻士とかカシバトルとかコロコロ作品、創作とかが主に主食の腐女子。デブとおっさんと筋肉が大好きなおっぱい♂星人。えっちなのを投稿したくてポイピクデビューしました。

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    hinaterukure

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    創作七つの大罪。とあるVオタを襲ったクリスマスの悲劇を元にしたレムのクリスマス小話①。レムマツです。季節外れにも程があるけど思いついてしまったので……わんこさん宅のスローンくんとやえすさん宅のマツリちゃん勝手にお借りしました!

    冷めたチキンを温めますか?【レムマツ】『よぅ、モルモットども!待たせたな……今夜は難攻不落のクソゲーとして名高い『アンシェントロダン』の攻略といきますよ。私の凄腕神プレイにド低脳のてめぇらはついてこれますかね?』



    「……絵が、動いてる……?」
    「違うから。夜音たんは絵じゃないから。Vtuberだから。夜音ちゃんはボクらと違う次元にいるけどちゃんと生きてるから」
    「……???」

    暗い部屋の中で、レムとスローンはパソコンで生配信を観ていた。

    パソコンの中にいるのは、小柄な体躯で紫色の髪をしたマッドサイエンティスト風の白衣の美少女。白衣はサイズが合ってないのかブカブカで、笑うとギザギザとした歯が見える。そんなアニメタッチの女の子がパソコンの中で動いたり喋ったりしているのを見て、スローンは首を傾げていた。

    「この子は暗井夜音たんっていってね〜、今ボクの中でめちゃくちゃ熱い推しVtuberなんだよ!マッドサイエンティスト系ゾンビっ娘Vtuberで、実験動画とか雑学解説とかゲーム実況とかいろいろやってんだけどどれも面白くて!そして何より可愛いロリッ子な見た目だけど、時にえげつない毒を吐くの!そこがまたギャップ萌えでさぁ!」
    「……???」

    スローンにはVtuberというものがいまいちよくわからなかったが、前に観た魔法学校の映画に出てきた動く肖像画みたいなものだろうと一人納得していた。違うのだが。

    『ん?そういやもうクリスマスの時期ですか……てめぇら、クリスマスに予定ありますか?』

    そう画面越しに問いかけられ、いきなりレムは立ち上がったかと思うとバタバタと狂喜乱舞する。

    「キタキタキタキタキターーー!!!!!!」
    「???」

    完全に置いてけぼりな様子のスローン。暗井夜音はフフンと笑って言葉を続ける。

    『まあ、ド低脳のてめぇらのことだからクリスマスは暇でしょうねぇ?可哀想だから、この私がクリスマスをてめぇらと過ごしてやりますよ。チキンとケーキを用意して待ってやがってください。……あっ、こんなところにも罠が!くっ、伝説のクソゲーの異名は伊達じゃありませんねぇ』

    暗井夜音はすぐにゲームに話を戻すが、それでもレムの興奮は冷めないままだ。

    「ついにっ……ついに!ボクもリア充の仲間入りするんだ!!長かった……長かったよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
    「れ、レム……」

    いきなりスローンを抱きしめてオイオイと泣き出すレム。あまりにも情緒不安定な様子に、スローンはオロオロしつつレムの頭を撫でるしかなかった。

    「いつもいつもいつも、この時期になると掲示板に張り付いて同志たちと傷の舐め合いをしてた………でも、今年は違う!クリスマスに可愛い女の子と過ごす!それは実質クリスマスデート!クリスマスに、予定があるなんてっ……なんて!素晴らしいんだ!!うおおおおおんっ!!」
    「ちょっと!こんな夜中に騒がしいですわよ!」
    「ゲッ、めんどいのが来た」

    バンッとドアを開けて、怒り心頭のマツリが入ってきた。マツリはパソコンを見て、呆れたような表情をする。

    「もうっ、こんな時間に深夜アニメを見て……スローンの教育に悪いですわ!すぐに消しなさいな!」
    「違うって!アニメじゃなくてVtuber!ボクの推しの生配信観てんだよ!」
    「Vtuber?……ああ、これがそうですのね!聞いたことはありましたけど、実際に見るのはこれが初めてですわ」

    マツリはそう言って、クソゲーに四苦八苦している様子のVtuber・暗井夜音をじっと見つめる。

    「…………なんだか、気になりますわね」
    「えっ、キミって百合っ気あったの?意外」
    「ちっ、違いましてよ!そうじゃなくて、なんだかよくわからないけど無性に気になるってだけですわ!」
    「ふ〜ん、まあアクスタとか一個ぐらい譲ってやってもいいけど」
    「だから違いますわ!推しになりそうとかそんなんじゃなくて……って、あなたまたスローンにカップ麺とかお菓子とか食べさせてますわね!こんな真夜中に!」
    「ちぇっ、目ざといな」

    マツリにガミガミと叱られながら、レムは壁にかけたカレンダーをチラッと見る。


    ーもうすぐクリスマス……絶対に今世紀最高のクリスマスを過ごしてやるもんね!!

    レムはそう、心に決めていた。

    あの悲劇が起こるまでは


    つづく
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