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    hinaterukure

    @hinaterukure

    運命の巻戻士とかカシバトルとかコロコロ作品、創作とかが主に主食の腐女子。デブとおっさんと筋肉が大好きなおっぱい♂星人。えっちなのを投稿したくてポイピクデビューしました。

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    hinaterukure

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    冷めチキシリーズ、ついに最終話です!最終話と言ったけど、のちのち後日談があるかも。やえすさん宅のマツリちゃんとわんこさん宅のスローンくんお借りしました!

    冷めたチキンを温めますか?④【レムマツ】「はい!バルーンはここの位置にね!シャンデリアはここ!壁紙は夜音たんのイメージカラーだから隅から隅まで綺麗に貼って!」
    「んもうっ!言われなくてもわかってますわよ!こんな時だけハキハキしますのね!」

    “怠惰城”の一室で、レムはクリスマスに向けての準備をしていた。マツリも巻き込んでだ。

    いつもはめんどくさがりのレムだが、いつも以上に大張り切りしている。そう、なぜなら推しのクリスマス生配信に向けて、本人不在クリスマスパーティー会場を作っているからだ。推しとクリスマスを過ごすのならば、完璧でないと気が済まない。なんやかんやで、天使時代の完璧主義が残っているのだろうか。なんにせよ、レムは初めて好きな人と過ごすクリスマスに浮かれていた。

    「むふふふふふっ、クリスマスプレゼント(スパチャ)のために複アカをさらに増やしたし………夜音たんに「†疾風の暗殺者ジェイド†さん、いつもありがとう♡これからもモルモットでいて♡」って言われるのが楽しみだなぁ〜!」
    「あなた、そんなHNですの?あと、お金の使い方が完全に間違ってますわよ!そんなにお金に余裕あるなら服の1枚か2枚……」
    「やだね!自分に課金とか死んでもしないし!オリジナルTシャツだけで生きるもんねボクは!」
    「あの変Tだけで一生を過ごすとか最悪ですわよ!もうっ!隣を歩く私の身にもなりなさいな!」

    と叱りつつも、どこか恍惚としている様子のマツリ。当のレムはそれに気づかず、スマホをいじって推しのSNSをチェックしている。

    「むふふふふふっ、待っててね夜音たん……今年のクリスマスは、今世紀最高のクリスマスにしようね!」

    ✳︎

    ところ変わって、監獄島。

    島の中心である“ホワイトサーペント”で、獄長たちが署長から呼び出しを食らっていた。

    もちろん、何かをしでかしたとかではなく、監獄島で行う最大規模のクリスマスパーティーの準備のためだ。

    「はぁっ……まったく、この時期になるとめんどくせぇですねぇ」
    「オイ、署長が直々にクリスマスパーティー開きたいって言ってんだ。文句言わずに準備に集中しろ」
    「古風な田舎ヤンキーみてぇな見た目のわりに変なとこで真面目ですよねぇ、テメェは」
    「あ“あ”!?誰が古風な田舎ヤンキーだぁ!?せめて古き良きと言え!!」
    「古いってのは否定しねぇんですね……ゲホッ」

    屈強なたてがみのような赤髪を持つ赤鬼と、顔に包帯をぐるぐる巻いた肥満体の異様な男が、スーパーへと向かっていた。
    赤鬼の方は少年犯罪を取り扱う監獄“レッドスコーピオン”の獄長……人呼んで総長で、包帯男の方は死刑囚を取り扱う“ブラックスラッグ”の獄長……人呼んで院長だ。2人は喧嘩しつつも、署長の指示通り食材の買い出しに行っている最中だ。

    「ゲホッゲホッ……」
    「オイ、テメェさっきから咳ばっかだな?どうせ徹夜でゲームして風邪引いたんだろ、ざまぁねぇな」
    「ヘッ、てめぇに心配されるまでも……ゲホッ」

    苦しそうに咳をする院長の姿に、総長はチッと舌打ちして頭をガシガシと掻く。

    「ったく……クリスマスパーティー終わったら、テメェの家に行ってやるよ。風邪でも引いて、署長にうつされたらたまんねぇからな」
    「は?あの化け物は風邪を引くタマじゃねぇでしょ?あとてめぇに世話される筋合いねぇし」
    「うるせぇな!男なら黙って俺様に看病されろ!」

    喧嘩しつつも、どこか仲良い様子の二人。院長は怒鳴り声もどこ吹く風で、チラッと自分のスマホを見落とす。

    ーあっ、そういや前にクリスマスに配信するって告知したような……?

    思い出して一瞬焦るが、すぐに「まあどうにかなるだろう」と思い直す。

    「……まっ、後日謝ればいいですよね」
    「オイ、一人で何ブツブツ言ってんだ?行くぞ」
    「へいへい、五歳児に指図されるまでもねぇですよ」
    「なにおうっ!?」

    二人はまた言い争いを始めつつも、スーパーに入って行った。


    ✳︎

    クリスマスイブ当日。時計は夜の9時55分を指していた。

    「むふふふふふっ……ついに!ついにだよ!ついに!この時が!来た!盛り上がってまいりました〜!」
    「う……ん…………」

    テンションが上がってひとりで盛り上がってる様子のレムとは対照的に、スローンは今にも寝そうでうつらうつらとしている。

    「さ〜て、この時期は独り身男が美人局の被害に遭いやすい時期だからってマツリはパトロールからしばらく戻ってこれないだろうし……邪魔が入ることなく朝まで騒げるね!夜音たんの新衣装のお披露目もあるし!絶対ミニスカサンタだよね!うはっ!ミニスカサンタの夜音たん楽しみですなぁ〜!あっはっはっはっ!」
    「ふぅ……ん…………」

    ひとり変なテンションのレムだが、スローンは「レムが楽しそうならいっか」と眠気でよく回らない頭でそう考える。

    「配信は10時から………あと5分!さぁ!配信に向けて全裸待機といこうか!本当には脱がないけどね!ぬっはっはっはっ!」

    レムはパソコンの電源をつけて、暗井夜音のチャンネルページへと飛ぶ。そして、パソコン画面の前でウキウキと”その時“が来るまで待った。もちろん、頭にパーティーハットを被り手にはクラッカーを持っている。

    しかし………

    「………………」
    「……………………………」
    「………………………………………」
    「………………………………………………」

    配信が、一向に始まらない。配信開始時間である10時は、とっくに過ぎている。

    「……あっ、もしかして風呂?それか準備が遅れてる?配信機材のトラブルとか?そ、そうだよね……きっと!」
    「…………」

    スローンはこの時、嫌な予感がしていた。しかし、それをこの日をずっと楽しみに待っていたレムに言うのは気が引けて、何を言えずにいた。

    「お、遅れるって告知はないし……配信やるのは確定だよ!絶対!もしかしたら、日付が変わる瞬間にサプライズで配信するのかもしれないし!ぼ、ボクは夜音たんを信じるぞ!」
    「……………」

    そして、3時間後……。

    「……………………」
    「……………………………」
    「…………………………………」
    「………………………………………」
    「…………チキン、冷めちゃった」
    「レム………」

    レムは、3時間前までの元気はどこへ行ったのかすっかり意気消沈していた。
    テーブルの上に置いたせっかくのご馳走も、手つかずのままだった。

    「チキンは……温め直すからいいけど、ケーキが……」

    マツリに作ってもらった、推しケーキ。マツリに無理を言って、チョコペンで暗井夜音の顔を描いてもらっていた。しかし、その可愛い絵はすっかりドロドロに溶けてしまっている。

    「……せっかく、マツリに作ってもらったのに……」
    「レム……」

    ケーキを前にそうポツリと呟くレムに、かける言葉が見つからずにスローンはオロオロとしていた。

    その時だった。

    「帰りましたわよ!あなたたち!」

    突風とともに、ドアが開け放たれた。

    「!……マツリ!?なんで……!?」

    ズカズカと部屋に入ってきたマツリは、腰に手を当ててレムを叱りつける。

    「もうっ!私がいない隙に夜更かしなんて許しませんわよ!絶対羽目を外すと思って、あとのことは仲間たちに任せて早めに帰ってきて正解でしたわ!」
    「えっ、君に賛同するような自警団仲間なんているの?知らなかった……怖っ」
    「それより……暗井夜音、でしたっけ?その子のことSNSで検索したら、嘆きの声で大荒れで嫌な予感がして……あなた、それで不貞腐れているんでしょう?」
    「うっ……」

    痛いとこを突かれて、レムは何も言えないようだ。マツリは部屋を見渡し、テーブルの上のご馳走に目を向ける。

    「あら?チキンが冷めてるじゃありませんの!もうっ!すぐに温め直しますわよ!」

    マツリはチキンの皿を持ってキッチンに向かおうとし、その前にレムとスローンの方へ一瞥する。

    「今日はクリスマスだから多めに見てやりますけど……ご馳走を食べたらすぐ寝ることですわ!よろしいですこと!?」
    「!………ってことは、クリスマスをボクと過ごしてくれるってこと?」
    「もっ、もうっ!なんでそうなりますの!?あくまで監視のためですわよ!勘違いなさらないで!」
    「うわっ、ババアのツンデレキッツ。チェンジで」
    「キーッ!!あなた!!すーぐそうやって人をお年寄り扱いして!!」
    「…………」

    いつも通り、喧嘩をする二人。
    さっきまで意気消沈していたレムは、マツリが帰ってきたことで一気に元気を取り戻したように見える。
    スローンはそんな二人を見て、穏やかに微笑んでいた。

    END
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