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    hinaterukure

    @hinaterukure

    運命の巻戻士とかカシバトルとかコロコロ作品、創作とかが主に主食の腐女子。デブとおっさんと筋肉が大好きなおっぱい♂星人。えっちなのを投稿したくてポイピクデビューしました。

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    hinaterukure

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    自陣四季送りHO3秋が、自陣誰ロクHO3を狙う話。
    前々から膨らませていた妄想をようやく形にできたよ!!!まだ名前だけで紅音ちゃん出てきてないけど!!!!
    ノリモさん宅の四季送りHO1・春杉龍青鹿ちゃんお借りしました。

    狙われたヴァンパイアクイーン【前編】「ふんふふんふ〜ん♪」

    ルンルンと鼻歌を歌いながら、アタシはライブスタッフの制服に着替える。鏡を見ながらマスクを被り、そしてその上に短髪のウィッグを被れば変装は完璧。どこからどう見てもスタッフのおじさんにしか見えないだろう。

    今日のアタシはいつもより上機嫌だった。何故なら、今日の獲物は久々にアタシの好み“ど真ん中”だからだ。

    スマホを取り出し、アタシはうっとりと画面を眺める。そこに映し出されているのは、びっくりするぐらいに綺麗な吸血鬼のお姫様……今をときめくモンスターロックバンド『ミッドナイトホラーショー』のキーボード担当・エリザベートだ。

    「エリザベート、本名・黒崎紅音、一般家庭生まれ、父は会社員で母はパート、上に警察官の姉を持つ美大生兼バンドマン……」

    写真を舐めるように眺めると、ニマァ……と口端を吊り上げる。

    「黒崎紅音ちゃん……ハロウィンを司る秋であるこのアタシが、死期を送り届けるのにこの上なく相応しい相手だわぁ❤︎」

    アタシはそう言って、ペロリと舌舐めずりする。

    美しい人間が好きだ。もちろん、一番は祝おにーちゃんだけど。なぜなら、美しければ美しいほど”残酷な死”が映えるからだ。顔の皮を剥いだり、顔を潰したり、顔をボコボコに腫れ上げさせたり……例を挙げたらキリがない。

    「依頼人さんに感謝しなきゃねぇ❤︎」

    あびに届いた依頼の中に、こんなものがあった。

    『ミッドナイトホラーショーが目障りだから、人気メンバーのエリザベートを殺してほしい』

    芸能人というものは大変だ。特に何も悪いことをしていなくても、真面目に活動するだけで悪目立ちし、こうやっていらない恨みを買う。きっとこれもそのひとつなのだろう。
    同情はするが、報酬が破格なのでアタシはその依頼を請け負うことにした。

    「最近話題になったとはいえ、ついこの前までは無名だったインディーズバンド……まだそこまで警備は徹底されていないでしょうねぇ」

    つまり、楽勝ってわけだ。設置されている監視カメラも、ハッキングしてダミー映像を流せば大丈夫だろう。

    「なんや、いつになくえらいご機嫌どすなぁ秋生はん」
    「あら……やっと来たわね」

    アトリエに青鹿が入ってくる。いつもならアトリエの入り口に監視カメラとマシンガンを設置している(とはいえいつも仕事仲間に武力で突破されたり蠱毒に無効化されているのでほぼ使い物にならない)が、今日ばかりは特別に解除している。今回の任務に、彼女の協力は必須だからだ。まあ、一時的とはいえ借りを作るのは癪だけれど。

    「秋生はん、今回もまたえらい貫禄のある変装しとるどすなぁ。一瞬誰だかわからなかったわぁ」
    「素直に老けてるって言いなさいよ。……それより、持ってきた?例のブツ」
    「物騒な言い方しはるなぁ。はい、これ」

    青鹿はそう言って、アタシに袋を渡してくる。

    「これが、アタシがリクエストした毒ね……」
    「そうどす。効くのに多少時間はかかるけど、ちゃんと効果は保証されているどす」
    「時間はかかった方がいいわ。ライブの最中にステージから降りてもらう必要があるんだから」

    そう言ってニヤリと笑うと、「優しそうな顔してはるなぁ」と皮肉げに青鹿はそう言う。

    「ところで、これいくら?アンタのサービス使うのこれが初めてになるんだけど」
    「なんやぁ、秋生はん。うちは無償でサービスしとるから代金なんていりまへんわぁ」

    その胡散臭い言葉を受けて、アタシは怪訝な表情を浮かべる。なぜなら、この世にタダより高いものはないからだ。

    「………本当?あとから色々いちゃもんつけて利子つけて払えなんて言わない?」
    「本当どす。うちは身内からお金取るなんて野暮な真似はしまへん」
    「それ、遠回しにアタシのことディスってるわよね?」
    「まさかぁ」

    仕事仲間限定で”有料”で変装道具を貸し出しているアタシにとって、青鹿のやり方はさっぱり理解できない。毒を調合するのは簡単ではないしかなりお金と時間はかかるだろうに、それなりの対価を求めていいんじゃないのか?とは思う。それなのに無料で貸し出すなんて、裏があるんじゃないかと思えて不気味だ。たとえ本人にそのつもりはないんだとしても。

    「無料とはいえ、借りを作るのは嫌だわ。だから、お金を払う代わりに何かアタシにやって欲しいことを言いなさいよ」
    「やってほしいこと?別に対価は必要ないどすけど秋生はんがそう求められるなら、そうどすなぁ……」

    青鹿は少し考えた後、何か閃いたのかポンッと手を叩く。

    「じゃあ、うちの妹に似合うアクセサリーを作ってほしいどす。今度誕生日どすからなぁ」
    「………そんな程度でいいの?」
    「はぁ?うちの妹の一大イベントを”そんな程度”って扱うんどすか?」
    「はいはいわかったわよ流石妹想いのお姉ちゃんねぇ」

    青鹿は普段胡散臭くも穏やか?ではあるが、妹のこととなると少々……いや、かなり過激派な保護者になるのはわかりきっていることだ。なんにせよ、これで借りをすぐ返すことができそうでアタシはホッとした。

    「にしても、拍子抜けしたわぁ。てっきりアンタのことだから3回まわってワンって言えって言われるのかと」
    「そんなぁ、人様の犬にそんなことはさせられへんよぉ」
    「誰が人様の犬よ。まあいいわ……例を言うわよ」

    今日はミッドナイトホラーショーのライブの日。

    きっと、今日という日は他のバンドメンバーにとってもファンにとっても忘れられない”悲劇”の1日となるだろう。そして、その”悲劇”はファンの間でこの先何年も何十年も語り継がれていくだろう。

    語り継がれる不朽の名作というのは、大体主人公/ヒロインは死ぬものだから……ねっ❤︎
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