モラ魈「すまないな、突然伽に呼んでしまって」
「いえ…、ですが、我には経験も知識もなく」
「そこは気にしなくても良い。今回お前を呼んだのは口実が欲しかっただけだからな」
「口実、ですか?」
「あぁ。最近、俺の伴侶にしてほしいという者が多くてな。諦めさせようにも理由を問われ敵わん。故に、お前を呼んだわけだ。人前で声をかけたから今頃話が広まっているだろう」
「そうだったのですね…」
「だから今夜はこの部屋にいてほしい」
「承知いたしました」
「それと…、お前を選んだのは口実だけではないから安心してくれ」
「それはどういう…」
「お前さえよければ、本当に伽をしても構わぬということだ」
「なっ…」
「まずは手始めに共に寝台で横になろう。おいで…」
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