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    マリオ兄さんとルイージが諸々の事件後に話すだけのSS。映画基準。カップリング要素はありません。双子概念にウワーッてなったのでウワーッと書きました。

    1+1で2にならないクッパとの一騒動が終わり、キノコ王国への移住がほぼほぼ完了した頃、
    僕たちはようやく落ち着いてお互いが再開するまでの経緯を話し合うことが出来た。

    キノコ王国に行き着いたあと、ピーチ姫やキノピオたちと出会い様々な冒険をした僕と違い、
    ルイージは本当にずっとクッパの元に居たようだ。
    再開するまでにピーチ姫からクッパの事はある程度聞かされてはいたが、だいぶ加減をされていたように思える。
    事細かに聞かされていたら自分は冷静さを失っていたかもしれない。

    「はぁ…」

    ルイージが唐突に大きなため息をつく。

    「どうしたんだ?さっきまでご機嫌だったのに」
    僕としては楽しんで冒険していたわけではないのだが、
    弟からすれば輝かしい冒険譚だったらしく、最初は目を輝かせて話を聞いていた。
    だというのに、ひとしきり話し終わったあとルイージは静かに目の前にある空になったカップに視線を落とし、黙り込んでしまった。

    「いや…その、うーん…兄さんはやっぱりすごいなぁって」
    「なんだそれ」
    「僕にはそんな勇気ないなって、改めて思っちゃってさ」

    クッパに捕まったのが僕でよかったよ。
    そんな言葉までこぼすものだから、すこし腹が立つ。
    こちらがどれだけ心配したと思っているんだ。

    とは言え、ここで喧嘩するなんて馬鹿馬鹿しい。

    「そんなの結果論だろ?」
    「そうかもしれないけど」
    「ルイージはクッパがどんな奴で、あの世界がどういうものかも知る機会がなかったんだから仕方ないさ」
    「でも兄さんは何もわからない状況でもちゃんと行動したじゃないか。勇気があってすごいよ。それに比べたら僕はずっと檻の中で震えてるだけだった」

    中々どうして弟の沈んだ気持ちは戻ってこない。
    正直のところ、捕まったのがルイージの方であったのは結果的に良かったと思う部分もある。

    相手はあのクッパだ。僕だったらきっと檻から出せと騒いで、クッパの気に触ってあの世界のことを何も知ることなくゲームオーバーだった可能性がある。
    ルイージは気弱でおとなしいからこそ、人質として生かされていた部分があるはずだ。

    まぁ、こんなことは流石に本人には言えないわけだが。


    「なんでこんなに僕は勇気も度胸もないんだろう。もしかして兄さんが持っていっちゃったりした?」

    突然ルイージが至極真剣な顔でそんなことを言うものだから思わず吹き出してしまった。

    「笑わなくてもいいじゃないか!」
    「いきなり何を言い出すのかと思って」
    「ちょっとは否定してほしかったんだけどなあ…」

    僕たちは元々ひとつだから、色々なものがお互いに分かれてしまっていても
    おかしくはないのかもしれない。

    「そう言うなって。ルイージだって僕がもっていないものを持ってるんだから」
    「兄さんが持ってないもの?」

    ううん、とルイージは片手を顎に置いて真剣に考え出した。
    しばらく考えを巡らせたあと、こちらに顔を向ける。


    「…身長?」

    いよいよおかしくなって僕は腹を抱えて笑ってしまった。

    「また笑った!こっちは真面目に悩んでるんだからね!?」
    「はぁ、笑いすぎて涙出てきた。それでいいんじゃないか」
    「全然良くないんだけど。もういいよ」

    そう言ってルイージはぷい、と明後日の方向を向いてしまった。
    そうは言っても、自分が嘘をついたつもりはない。

    たしかに弟は臆病だ。心配性で、人に物を強く言えないところがある。
    でも僕が評価されたのはこの世界にやって来たからであって、ブルックリンでの僕は勇敢ではなく無謀で、勇気があるのではなく無茶なことをしているだけだった。
    自分自身を勇気のある人間だと思ったことなど人生の一度もない。

    第一、臆病で心配性なところの何が悪い。人としてごく普通の感性じゃないか。
    優しすぎて心配になるところはあるけれど、ルイージの堅実な性格は
    決して悪いものではないと思う。

    だからといって僕は自分が嫌いなわけではない。
    この性格だから弟を助けることが出来たのであって、それがもし弟の分の勇気や度胸が僕に多めに分け与えられていたからだとしたら神に感謝したいくらいだ。

    「ルイージ、僕は自分が勇気がある人間だと思って生きてきてはいないさ」
    「…でも勇気があったじゃないか」
    「それは思う。あったんだ。でもあったことに気がついたのはお前を助けたいと思ったからだよ」

    明後日の方向を向いていたルイージの顔がゆっくりとこちらに向き直る。

    「それにお前だってあったじゃないか。僕を助けてくれたのは間違いなくルイージだ」

    そういうと、ルイージは「あ」となにかを思い出したような顔をした。
    あのクッパの業火から僕を守ったことを思い出したのだろう。
    あれは間違いなく、ルイージの『勇気』だった。

    「あんなことをしておいて勇気がないとは言わせないぞ」
    「そう言われるともう何も返せないよ」
    ルイージは困ったような顔で笑った。

    「でもさ、勇気があってもなくても…怪我をする兄さんはもう見たくない」
    「…わかってるさ」

    あの時のルイージが僕にだけスターを取らせようとしたことを僕は忘れない。
    自分の身のことなど考えていない行動を取ったのはどこのどいつだ。
    喉のあたりまで上がってきたそんな言葉をなんとか飲み込む。


    双子だというのに、こういうところは綺麗にピースがはまらない。
    結局なにも均等ではないことを思い知らされたようで、
    僕は弟に気が付かれないよう、ちいさくため息を付いた。
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