その3【ヨレのサバイバル森生活と、オクとの思い出】朝になった。
夜の森は意外と温かく、馬と寄り添って眠った為に凍死はしなかった。
「喉が乾いて干からびてしまいそう……。」
ブル、ブルル……!
起きたヨレンタに気付いた馬が、長い鼻先でヨレンタの身体をつついて、食事の催促をする。
「ごめんね。お腹が空いてたのに我慢させちゃったね。」
そう言って馬の鼻面を撫でた。
ヨレンタは馬を連れて森を歩いた。
早朝の森は白い霧が立ち込め、視界が悪かった。
しばらく歩くと、サラサラという音が聞こえて来た。
音に向かって行くと、ヨレンタが数歩で飛び越えられる大きさの小川が流れていた。
「やった!」
ヨレンタは、握った拳を天に突き上げガッツポーズをした。
馬に水をあげ、ヨレンタも両手で水をすくい、ゴクゴクと飲んだ。
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