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    (春クリ)プレゼントは私【二次創作】
    あめさんのTRPG平安譚8陣のたかーきらさまの転生後と従者の内麻呂くんの転生後のCP。

    【二次創作】プレゼントは私(春クリ)「プレゼントは私です」

    春にそう言われクリスは耳を疑った。

    「え、え、なんですか?」
    「プレゼントは私ですよ」

    リボンを付けた春が、もう一度同じセリフをなぞった。
    そういったフレーズは恋愛小説やドラマで聞いたことがあったが、現実に聞くとは思わなかった。
    自分は夢でも見ているのだろうか。クリスは手の甲をつねってみたけれど、どうやら夢ではないらしい。

    「だめでしたか?」
    「だめじゃないです嬉しいです! ただ、急だったのでびっくりして……」

    首を傾げて眉を下げる春の様子に、クリスの頭の中は「かわいい!!」でいっぱいになった。
    それにしても、どうしたことだろう。春が急にこんなことを言い出すだなんて。
    誕生日もクリスマスもまだ遠い。他にプレゼントで思い当たることはーー。

    「ーーお付き合いしてからもうじき3ヶ月ですね」
    「覚えていてくれてよかった」

    春がふにゃりと笑う。

    『彼女と距離を近づけるために、なにか良い方法とかありますか?』

    師にそう尋ねたところ、冒頭の方法を勧められたらしい。
    恋愛経験豊富な彼の提案だと考えると納得がいく。
    ただ、言った当人は軽口のつもりで、まさか春が実行するとは思わなかっただろう。
    そこを真に受けて実行するところが春の魅力であり、心配なところでもある。

    「……私以外には言わないでくださいね?」

    苦笑しつつ春の手を取る。

    「い、言いませんよこんな、恥ずかしいこと…」

    恥ずかしいとは思っていたらしい。それでも自分と距離を縮めようとしてくれたのだと思うと、クリスは胸が一杯になった。

    「〜〜…抱きしめてもいいですか?」
    「、どうぞ」

    クリスが言うと、春はくすりと笑って腕を広げた。腕の中に収まり、抱きしめる。
    春の体温が伝わってきて、それだけで幸せだと感じた。
    心臓の音が早いのが伝わってくる。自分と同じだとクリスは思った。

    「距離、近づきましたか?」
    「そうですね、とても温かいです」

    クリスが腕の中から春を見上げると、彼はふわりと微笑む。

    「もっと、近づいていいですか?」

    そう言って、するりと春の頬を撫でる。ぴくりと肩が揺れた。

    「……どうぞ」

    そう小さくつぶやき、春は長い睫毛を伏せる。クリスの手に触れた頬が熱い。
    クリスはどきどきする心臓をおさえ、ゆっくりと顔を近づける。

    「春さん」
    「はい」

    春も緊張しているのか、声が少し強ばっている。
    クリスは安心させるように微笑み、春の頬にそっと唇を触れた。

    「ふ、ふふっ」
    「クリスちゃん?」
    「すみません、なんだか心がくすぐったくって。あと、春さんかわいいなって」

    くすくすと笑い、クリスが春の頭を撫でる。

    「そう、でしょうか」
    「はい、大好きです」

    頭を優しく撫でていると、春は気持ちよさそうに目を細める。
    猫みたいでかわいいなと思ったけれど、言ったら拗ねるかもしれないと思い直し、クリスは言葉を飲み込んだ。

    「今日はこのくらいで。……心の準備ができたら、もっとください」

    クリスが内緒話をするように耳打ちすると、「ーーっ、は、はい」春が小さな声で返事をした。
    こうして二人の距離は少し縮まり、ささやかな幸せを分かち合ったのだった。
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