222(猫の日) 「しゅくにゃー!!!」
のんびりと椅子に座り、雑誌を捲っていた宿儺は、突然の弟の叫びに大きなため息をついた。
「…どうした? 悠仁」
悠仁は、齢六歳ながらも呪力があり、小学生ではあるが既に呪術師としての仕事を始めいた。そんな彼は、たまに呪いにかかることがあった。ヤバいような任務は回ってこないため、変わった呪いにしかかかったことがないが。
「おれ、猫になる呪いにかかっちゃったにゃー!」
そう言って寄ってきた彼は猫耳と尻尾が生えていた。どうやら、本来猫になる呪いをかけたつもりが、中途半端に作用したらしい。
流石俺の弟だ。なんて思いつつ、宿儺は携帯のカメラを起動した。
「問題ないだろ。お前は猫になってないし」
口調は猫っぽいがーと思いつつ連続でシャッターを切る。
「にゃー! 真面目に聞いてほしいにゃ!」
ブラコン全開の兄を叱ると、悠仁は彼の膝の上に座った。
「すまんすまん。で、どうした?」
必死に笑いを堪えつつ、宿儺は悠仁の頭を優しく撫でた。
「今日は久しぶりに釘崎と二人で仕事に行ったんだにゃ。そしたら、仕事先で猫を見つけたんだにゃ」
「…ほぉ。最近にしては珍しいな」
「それで、危ないからって猫を持ち上げたら…」
「…呪いにかかったというわけか」
宿儺の言葉に、小さな呪術師は頷いた。
どうやら彼が抱えた猫は本物ではなく、呪いだったらしい。そんなものにいとも簡単にかかってしまうのだから、宿儺は楽しくて仕方が無い。
「けれど、呪いは祓ったのだろう?」
尋ねれば、悠仁はゆっくりと頷いた。
「ならば、別によいではないー」
「よくにゃい!」
悠仁はそう言うと「お魚見たら飛びついちゃうし、ちょろちょろ動く物には目がいっちゃうし。…大変なんだにゃー!」と、叫んだ。
「まぁ、そう癇癪を起こすな。そのうち戻るだろう」
のんびりと告げた兄の言葉に、しかし悠仁はどこか浮かない表情を向けた。
「…どうした?」
本日二度目の質問に、悠仁は「…解除方法が…だにゃ」と何やら小さな声で呟いた。
「ん? 何だ?」
よく聞こえないと言えば、今度は少し大きな声で「解除方法がセックスなんだにゃー!」と叫んだ。その顔は真っ赤に染っていた。
一方、宿儺は内心なんだ。そんなことかーと思っていた。日々弟の穴という穴を調教しているため、なんとも思わなかったのだ。
「なんともないことにゃいにゃ! 恥ずかしい…にゃ…」
悠仁はそう言って頬を赤く染め、俯いた。
ああ。どうして俺の弟はこんなにも可愛いのだろうーと思いつつ、宿儺はニンマリと笑った。
「…悠仁。元に戻りたいか?」
彼の質問に、弟は小さく頷いた。どうやら戻りたい気はあるらしい。
「そうか。なら、願いを叶えてやろう」
宿儺はそう言うと、悠仁にそっと口付けた。
「んむっんぅ…」
上顎をゆっくりと擦り、わざと音を立てながら舌を絡めれば、悠仁の体はガタガタと震え始めた。
それに気をよくした宿儺は、キスをしながらゆっくりと悠仁の服を脱がした。
「ふぅん…ぁっ」
ゆっくりと口を離せば、とろりとした瞳と目が合った。どうやら完全にスイッチが入ってしまったらしい。
「ケヒッ」
男は何処か楽しそうに笑うと、そのまま悠仁を押し倒した。
♪
「ぁっすく…にゃぁ…やめっ…」
「ケヒヒッ何を言っている。気持ちがいいくせに」
悠仁は自身の太股の間で行き来するソレに、甘い声を上げた。
本当は挿入れて欲しいのに、宿儺はいつだって「まだ早い」と言って聞き入れてくれないのだ。
「すくにゃぁ…これ欲し…」
「ダメだ。今のお前の大きさではコレは受け止めきれん」
宿儺はそう言うと、悠仁の涙を拭った。
「もう少し大きくなったらな」
「大きくってどのくにゃい?」
「そうだな…あと六年くらい経ったらな」
「そんにゃにまてにゃ…あぅっ」
「何すぐ来る」
男はにんまりと笑うと「そろそろ出すぞ」と呟いた。瞬間、悠仁の顔に大量の白濁がかけられた。
♪
「ホント信じらんねぇ!」
「何を言う。あんなに欲しがっていたではないか」
軽いセックスでも解呪されるのかーと呆れつつ、宿儺は言い返した。
「あ…あの時は正気じゃなかったから」
「ケヒヒッ良い良い。お前が素直じゃないのは分かっている」
宿儺はそう言うと、まだ小さな子供の頭を撫でた。
「六年だ。あと六年たったら挿入してやる」
「ふざけんなぁぁあぁぁ!!!!」
悠仁は真っ赤な顔で叫んだ。
六年後、宿儺によって体を開発されつくされるとは、この時の悠仁はまだ知るはずもなかったのであった。