僕は彼女が大嫌いだ 現パロ学生時代🍶🍑もしも来世で一緒になれたのなら
次はしっかりと目を見て話をしよう。
しっかりと目を見て、先に逝ってしまったことを謝りたい。
謝って、一緒に居れるのなら……………
なんて
私はただ
自分の罪悪感を消し去りたいだけの我儘な人なんだ…
だから、その代わりに私はその他の全てを許すの
許して
許して
許すの…
あなたのそばに居られることを許されるのなら
なんだって許してあげるの。
あげるなんて偉そうだけれど。
そばに居れるのならなんだってする…
だからまずは、来世で一緒になれるのなら
しっかりと目を見て___…
ジッ…
「…あの」
「?…はい!」
目の前でパッと顔を綻ばせている彼女、桃華には3つの癖がある。
僕が彼女に思う数少ない嫌いなところだ。
1つは人の顔を眺めること。
眺めると言うよりも「目を見て話す」と言った方が正しいだろう。とにかくしっかりと、ジッと見つめてくる。
悪いことでは無いし、いい事ではある
何より僕は彼女の目が大好きだ。
だが少々やりづらいし照れくさい。
それに、彼女のこのキラキラとした目に勘違いした男達は一体どれだけいるのだろうか。
だから、優しいその目が嫌いだ。
「その、そんなに見つめられると照れくさいな…」
「ご、ごめんなさいっ」
2つ目は謝ること。
彼女は優しすぎるから。全てを自分のせいにしてしまう。
彼女を嫌いだと叫ぶ人間に対しても、笑顔で許す。
なんなら彼女は許すどころか嫌だと言われたところをごめんなさいと謝るのだ。
僕がいくら愛していると伝えても、彼女はいつも
「ごめんなさい、ごめんなさい」と言い
「でも嫌わないで、一緒にいて」と言う。
彼女は一体何をそんなにも怖がっているのだろうか。
彼女は一体何に怯えているのだろうか。
謝らずとも僕は彼女に怒ることはないし、愛していることに変わりは無いのに。
嫌わないでと言われても嫌う理由が見つからない。
でも強いて言うのなら、そう全てを謝ってくる癖は
大嫌いかもしれない。
そして3つめ…3つめは何だったかな
コンコンッ
ガラッ
「失礼します!酒楽先輩…お話いいですかっ」
「すまないが今は彼女と「少しお話して来ても大丈夫ですよ。これくらいの仕事なら、私が進めておきますから。」…」
あぁ、そうだ。3つ目はそうやって他人主義で、全てを許してしまうところだ。
彼氏という立場になったとしても変わらなかった。
少しは自分のものだと嫉妬を顕にしてもらいたいというのは、僕の我儘なのだろうか。
以前、僕のことがずっと好きだったと言ってきた女が、彼女に手を出したことがあった。
彼女は襲って来た女の手を優しく包んで
「ごめんなさい、私があなたをそこまで追い詰めてしまったのかもしれない」
と謝り
「貴方も彼が大好きなんですね…彼は素敵な人だから…私でも同じことをしたのかもしれない」
と許した。
僕には理解が出来なかった。
彼女は釈迦か仏か何かなのだろうか。
彼女は全てを許す。全て受け入れる。
僕なら彼女を襲った全てを許さない。
僕なら僕以外の彼女を愛す全ての男が許せない。
それでも…なんでも許す彼女が嫌いだ。
彼女は本当に僕を愛しているのだろうか
僕には彼女が分からない。
…______彼が私を嫌わないように
私を忘れてしまわないように
私をそばに置いてくれるのなら
なんだって
なんだって
なんだって