4月1日「抜刀斎 ツラ貸せ」
いきなり颯爽と神谷道場に現れた斎藤一は、洗濯物を干している緋村剣心を有無を言わさず首根っこ掴んで瞬く間に連れ去った。
「この緋色の生地がいいだろ さり気ない金色の刺繍も目立たなくていい コイツを採寸してくれ」
と、仙人のようなフサフサの眉とお髭の少老の店主に頼む。
斎藤に連れて行かれた場所は、とある呉服屋。
「拙者、一文無しでござるよ…?とてもじゃないが払えぬ」
「俺が払う。お前に借りを返すだけだ
黙って採寸されてろ」
「…おろ」
数ヶ月前、敵との戦闘で 間一髪の攻撃を斎藤は緋村によって庇われ怪我を負わしてしまった。
「貸し1でござる」とぬかされ、腹ただしく思えた斎藤だったが緋村に助けられた事実は覆す事は出来ない。
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