ねこのきもち冬弥がゾーンアウトを起こしてから、かれこれ一週間くらいが経過した。
こういうことは予後観察が大事だ。元に戻れているか、その後も強いストレスを抱えていないか、そういったことを管理するのはガイドの仕事である……と、彰人は思っている。
今日までのところ、冬弥に変わった様子は見受けられなかった。なので、もう大丈夫だろうと思っていた。その矢先のことだった。
夜、メッセージアプリに冬弥からのメッセージが送られてきた。そこまでは、まあよくある事だった。しかし、そのメッセージがあまりにも不穏だったのだ。
『あ』
『あああ』
『あきと、』
『助けて』
連続で送られてきたそれに、彰人はアウターを掴むとそのまま家を飛び出した。幸い、ぶれまくってはいるが、写真が添付されていた。暗がりの空を写し出したそれには街灯が写っている。その特徴的な形から、冬弥の居場所は近くの公園だとすぐにわかったのだ。
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