いつか当たり前になる最初の日「ここは……?」
見上げた先にある店の看板には『Color's collar』の文字。店先にあるのはシンプルなチョーカーから、一見するとネックレスのようなもの、いかにもといった雰囲気の首輪の数々。
ここは国内でも有名な首輪専門店だった。さらにいえば、全国にチェーン展開をしていて、カジュアルさが売りで、極めて入りやすい方に分類されるような。
とはいえ、こんなところに来るのはパートナー同士くらいのものであり、それを意識してしまうと気恥しさや気まずさを覚えてしまう。
何を言えばいいかと思案している様子の冬弥に、やはりまだ早かっただろうかと彰人は店先まで連れて行ってしまったことを後悔していた。
ダイナミクスに分類されない人からすれば特殊性癖の類かと思われるかもしれないが、Domである彰人とSubである冬弥にとって、首輪を選ぼうとするのはごく自然な流れだった。
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