永遠ノ愛ヲこれは、とある九尾の狐が見た、遠い昔の時の夢である。
「っ…ここ、は」
パチリ、と目を開くと先程まで彼といた神社…の筈なのだが。
どこか、いつもとは違う気がする。
確かにいつもの神社であることは確かなのだが、なんというか、少しばかり新しい気がする。
「あ……」
視線を動かした先には、橙色の髪と着物の青年が立っていた。
そこで確信する。これは、夢なのだと。
随分と、懐かしい夢だ。
「お、一!こっち来いよ」
「嗚呼、アキト今向かう。」
これは、アキトと初めて出逢った頃の夢だ。
遠い昔、まだこの神社ができて間もない頃。
できたばかりだというのに妖が出るとすぐさま噂され、人ひとり来ないような神社に、一人の少年が訪れた。
「……何をしに来た」
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