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    msk0kmhr0

    @msk0kmhr0

    いかがわしめな絵置き場
    あーくないつ 博♂受

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    msk0kmhr0

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    若アイマヴェ🧊🐺

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    recommended works

    nbsk_pk

    DOODLE花布さんの素敵呟きに便乗しました
     指輪が欲しいなどと、口にしたことはないのだけれど。

     例えば長期任務に出発する朝だとか、別に彼と一緒の作戦ではなかったとしても、身支度を急がせた彼は無言で私を手招きする。窓の外はまだ暗く、宵っ張りの星々でさえまだ二度寝を決め込んでいるような時間帯。もたもたとフードの紐を結び終えた私は、左手の手袋だけを外しながら促されたとおりに彼の膝の上にそろりと腰かける。そうすればとっくに準備を整えていた彼の手のひらがぐいと私の左手をつかみ、右手に持った小さな刷毛でただ一本の指の爪だけを彼の色に染め上げていくのだった。
     無論、背後から覆いかぶさられているので彼の表情を窺い見ることは難しい。無理やり身体をひねればできなくはないだろうが、そうすればこの時間は二度と手に入れることはかなわないだろう。彼よりも一回りは小さい爪は、刷毛がほんの数往復してしまえばあっさりと塗り終わってしまう。触るなよ、という言葉が降ってくるのが終わりの合図で、しかし器用に片手で刷毛を戻した彼はまだ私の左手を掴んだまま。信用がない。なさすぎる。まあ思い当たる節ならばいくらでもあるのだけれど。
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    nbsk_pk

    DOODLE転生現パロ記憶あり。博が黒猫で花屋の炎さんに飼われている。博猫さんは毛づくろいが下手すぎてもしゃもしゃにされたのを自力で戻せないので、原因にブラッシングを要求しました
    ねことのせいかつ いくら朝から店を閉めているとはいえ、生花という生き物相手の職業であるためやらなければならない作業は多い。ましてや今回の臨時休業の理由は台風、取引先各所への連絡から店舗周辺の点検と補強までひと通り終わらせたときには、すでに窓の外にはどんよりとした黒い雲が広がり始めていた。


    「ドクター?」
     店の奥にある居住スペースの扉を開けても、いつものようにのたのたと走り来る小さな姿はない。しん、とした家の気配に嫌な予感を募らせたエンカクがやや乱暴な足取りでリビングへと駆け込んだとして、一体誰が笑うというのだろう。なにせあのちっぽけな黒猫はその運動神経の悪さに反して脱走だけは得手ときている。植物や薬剤をかじらないだけの聡明さはあるというのに、頑として水仕事で荒れた手のひらで撫でられねば一歩も動かないと主張する小さな生き物に、どれだけエンカクが手を焼いたことか。だがエンカクの心配をよそに、雨戸を閉めた仄暗い部屋の中で黒猫はあっさりと見つかった。キッチンの出窓、はめ殺しの小さな窓には雨戸もカーテンもないため、今にも落ちてきそうなほどの暗雲がよく見て取れた。自身が抱いているものを安堵とは決して認めないものの、やや歩調を緩めたエンカクは窓の外をじっと見つめたまま動かない黒猫の背にそっと立つ。
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