孤独 目を開ければ見慣れた薄暗いリムの中、一人佇んでいた。自分は何か下手を打ってロストしたのだったかと、直前の出来事を思い返そうとしたところでリムストーンが見あたらないことに気が付いた。ああ、そうだ。
主を失ったポーンは異界の狭間に囚われて永遠を過ごす。私にはもうリムストーンが見えない。青く煙る向こう側へ渡る同胞たちをただ見送るだけ。
私の主は望む世界を手に入れた。繰り返すことなく、意味を役割を強制されることもなく、いつか虚無に飲まれることを約束された世界。
主の世界には竜も覚者も無い。そこにポーンである私の存在が許されるはずもない。主と共に行くことは叶わない。必然的に私は主を失った。主の望みは私の望み。その結果、自分がどうなろうとも。
427