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    うめぼし

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    うめぼし

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    アズデュ小説(もどき)習作。
    冬辺りからずっとちまちま書いてたけど着地点を完全に見失った産物です。急に突然終わります。
    n年後設定で捏造に捏造を重ねてます。
    「君は美味しそうに食べる」
    「貴方が作ってくれるからです」
    という台詞を言わせたいが為に長々と書いてしまった…。相当読みづらいです。
    二人の秘密基地で穏やかでイチャイチャしたひと時を書きたかったけど力が無さすぎた…

    微睡んでいた意識がふと浮上し瞼を上げると、朝日がカーテンの隙間から零れ部屋がほんのり明るくなっている。いつの間に寝てしまった…というか落ちたのだろう。昨夜ぐずぐずにされてからの記憶が曖昧だ。窓の外からはカモメだろう、僕に「早く起きろ」と言わんばかりに何羽もの鳴き声が耳に届く。そんなカモメ達を無視してまた沈みかける意識の中、まだ隣に居るであろう人物に触れようと手を伸ばして探すが、冷たいシーツを撫でるだけでどうやらもぬけの殻のようだった。
    どこに行ったんだろう、トイレか?と、また段々深くなっていく意識の片隅で考えているとフワリと香ばしい匂いが風に乗り鼻腔を擽った。パンの焼ける香ばしい匂いとバターの匂い、ベーコンの焼ける匂いもする。その美味しそうな匂いに眠気も飛び、もぞもぞと起き上がると昨夜の名残か、腰に微かな甘い痛みを感じ思わず「うっ」と声に出てしまった。腰に軽く手をあてながらベッドから降り、閉まったカーテンと窓を開ける。眼下に広がる海は朝日が乱反射し水面がきらきらと揺らめいている。その上を先程僕を起こしたであろうカモメ達が優雅に飛んでいた。それを暫く眺めたあと腕を真上に一伸びすると、朝の空気を思い切り吸い込んで顔を両手で軽く叩き、美味しい匂いの元へと足を向けた。


    「おはようございます!」
    「おはよう、デュース」
    二階にある部屋を出て、一階にあるリビングへ降りると先程ベッドで探していた人物、アズールさんが朝食をテーブルへと運んでいた。カウンターキッチンになっているカウンターの上には彼が作った美味しそうな料理が並んでいる。
    「わぁ…美味しそう!」
    「もう出来てますから、顔洗ってきて」
    「はい!」
    美味しそうな朝食に思わず鼻を近付け匂いを嗅いでいると、アズールさんはくすりと笑って洗面所へと僕を促した。それに返事をし洗面所へ向かう。まだ少し残っていた眠気も洗顔と一緒に洗い流し、さっぱりとした気持ちで再びリビングへ戻ると、朝食はカウンターから既に窓際の2人がけのガラステーブルへと運ばれていた。テーブルの上にはこんがり焼けたトーストに半熟のベーコンエッグ、ゴロゴロ野菜の入ったトマトスープに彩り豊かなミモザサラダ、りんごやオレンジ等のフルーツ盛り合わせが置いてある。バランスも良くとても立派な朝食だ。
    「アズールさん、いつもありがとうございます」
    「いいえ、このくらいは。身体は大丈夫ですか?」
    「はい!」
    「その返事は大丈夫そうですね。今日のスープは自信作です」
    「楽しみっす!」
    席につき随分昔、学生時代に監督生に教わった食事の挨拶を揃ってし早速スープに口を付ける。トマトの甘みと他の野菜の甘み、そしてブイヨンの旨みが後を引いてとても美味しい。さすが自信作なだけある。
    「うま…っ!スープ美味しいです!野菜の甘みがすごくて、スープ自体も美味しくて…まさかブイヨン、一から作ってます?」
    「流石デュース、良い食材が手に入ったので折角ならブイヨンから作ってみようかと思いまして。昨日の夜から仕込んでました。…ふっ、段々舌が肥えてきましたね?」
    「アズールさんのおかげでそれはもう」
    彼の作る料理は食材や調味料、作り方等にこだわっているおかげでとても美味しい。さすが学生時代からカフェを展開し、今では三ツ星レストランのオーナーや色々飲食を手掛けているだけはある。簡単な料理さえも彼が作るとまるで一流のレストランに出てくるかのような味になる。シェフではないがそれなりの腕前を持っているのに彼が作る料理を口に出来るのはどうも僕だけらしい。優越感しかない。
    そんな美味しい料理に舌鼓を打ちながら見るここからの景色は最高という言葉以外ない。窓から見える青い空に青い海、それに白い砂浜。そして窓からは心地良い海風が入る最高の席。美味しい朝食が更に美味しくなる魔法の場所だ。


    この素敵な場所は謂わば別荘みたいなもので、僕らの近しい人達も知らない二人の秘密の住処だ。
    数年前、突然アズールさんが「秘密基地を買いました」なんて言うから仕事用に小さいワンルームでも買ったのか、と思っていた。後日珊瑚の海にほど近い町外れに案内され、二階建てのそれはそれは立派な白塗りの家を目の前にして驚いたのを覚えている。周りには海以外何も無く、遠く離れた街に続く小高い丘とこの家だけがポツンと存在していた。言ってしまえば孤立した家だ。彼の中で秘密基地とは一体どんなものなのか疑いたくなる程の立派さだ。家の目の前はすぐ海と砂浜なので視界を遮るものがなく、水平線から登る朝日や沈む夕日がとても綺麗だった。何とも贅沢なプライベートビーチだろう。僕もこの場所が気に入り、少し長い休みが取れた時は二人でよくここに遊びに来ている。元より彼が選ぶものに文句など言った事もないのだけれども。アズールさんと僕だけが知っている秘密の場所だ。

    そんな場所へ来たのはつい昨日の事で警官として働いている僕の方に久々まとまった休みが取れたので、急遽彼も休みを合わせ数ヶ月振りにこの地へ来たのだった。
    朝から色々食材や備品を買って行けば時間はいつの間にか夕方で、そこから二人で軽く掃除と片付けをし、夕食を一緒に作って食べ、風呂へ入り、そのまま寝室へと向かいセックスをし、僕は疲労から泥のように眠り、朝を迎え今に至る、という感じだ。久々のちょっとした長い休みと、ここ最近お互い仕事が忙しく身体を重ねる時間が無かったという事もあり、夜は大いに盛り上がってしまった。お陰で腰が少し痛いのだけれど。身体を重ねた次の日は大体アズールさんが朝食を作ってくれる。決めた訳では無いがいつも僕が朝使い物にならないせいだろう。その責任の一旦は彼にもあるので甘えさせてもらっている。
    彼の作るご飯は美味しいし、窓から見える景色も最高だし、目の前にはカッコイイ彼氏がいる。とても幸せだ。そんな気持ちが溢れていたのか、アズールさんは僕を見るとくすりと笑った。
    「君はいつも本当美味しそうに食べる」
    「だって美味しいですもん。それにアズールさんが作ってくれるから特段美味しいんです」
    彼は少し面食らったような顔をした後、「そうですか」と言いトーストを齧った。照れ隠しなのだろう。耳がほんのり赤くなっている。それなりに付き合いも長くなり、呼び方も名前で呼ぶようになったし、何となくお互い考えてる事が分かるようになった。学生時代カッコイイと思っていた彼は結構可愛い所が沢山あってその度に好きが更新されていく。我ながら乙女思考だ。僕の思っている事が分かったのか、コホンと咳払いをすると照れたような視線をこちらに向けながら予定を聞いてきた。
    「…今日はどうしますか?どこか行きたい所ありますか?」
    「備品や食材はあるし…あ、少し砂浜歩きませんか?」
    「いいですね、洗濯終わったら食後の運動がてら行きましょう」
    「どうせなら泳ぎたいなー」
    「君には冷たすぎるでしょ。春先で水温はまだ低い」
    「ですよね…夏に期待するか」
    そんな他愛もない会話をしながら朝食を終え、僕は食器の片付け、アズールさんはリビングや部屋に掃除機をかけ、それが終わると二人で洗濯物を干し始める。これもまた決めた訳じゃないが自然とそうなっていた。粗方家事を終えると服を着替え、すぐそこの浜へと向かった。


    ぎゅむぎゅむ、と砂を踏み締める音を鳴らしながら波打ち際まで行くと一層潮の匂いが濃くなった。寄せる波に指を付けてみるとやはりひんやりとする。泳ぐのは無理そうだ。
    「こら、確認しない」
    「一応、ですよ」
    諌めるような声色が、僕が言うことを聞かずに入ると思われていたみたいで思わず眉尻を下げた。はい、と差し出された手を握り返し二人で波打ち際を歩き始める。
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