黒白「…………ん、」
ちゅんちゅん、と小鳥が囀る声。起こさないようにと気を使ってくれたのだろう、閉ざされたカーテンの隙間から僅かに漏れる陽の光から、朝が来たことを知る。
抱きしめて眠っていたはずの温もりはシーツからすっかり消えてしまっていて、ルイは思わずすんと鼻を鳴らした。いつまで経っても、目が覚めた時に彼がいないのは慣れない。だが扉の奥で控えめな鼻歌を歌う上機嫌な彼の声が聞こえるから、それに水を差すのも悪くてまた寝返りを打った。
「……ふんふん、ふふーん、ふーん」
音が鳴らないように控えめに開かれた扉。ぺたぺたと足音がするが、それも爪先からそっと足を下ろしているからか、耳障りには感じない。コトン、と枕元のベッドに何かが置かれた。そして間を置かず、ごそごそと彼がベッドに潜り込んでくる。
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