一緒に寝ようと誘われた夢主が当日怒られる話 岩王帝君が生きた名残が残る璃月の地は、小高い丘や、常人では登れないような崖が多く存在する。それらの大地から太陽が登ってやまない時間にある言葉が発せられた。
「一週間後、お前と床を共にしたいと思うんだが、いいだろうか」
女の理解は朝の陽気と同じく起きたばかりである。確かに、男と女の寝室は別な事は思い出すまでもない。
「……模様替えの話ですか?」
「何故そうなる」
夫婦となって日が浅い二人ではあったが、以前から女は鍾離の家で女中として働いていた。関係性が変わっても、日常に目新しい変化はない。変化がない故に、当たり前のように寝室は別だった。しかし、磐石を尊ぶ璃月であっても、これほどまでに変化がないことは、少し問題なのかもしれない。
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