浅観音探偵事務所、だよな?満邦は事務所のソファーベッドで眠り込んでいたのを、腹の減る匂いで起こされた
コトリ、と皿がテーブルに置かれると頼んだ覚えがない塩気のする鶏ガラの香りが鼻に入ってくる
満邦は身体を起こして、匂いの先を見た
「荒仁、いらっしゃい」
目と鼻の先にあるチューチュー飯店から、弟の幼馴染み、荒仁がまかないのチャーハンと中華スープを運んできていた
「お邪魔してます」と、またコトリと音を置いた荒仁は湯呑みもマグカップの場所も知っている
ポットから注ぎ、我が家の様に、自分で自分の昆布茶を淹れて飲んでいた
届けてくれた荒仁の料理に手と手を合わせる
「旨そうだ、いただきます」
まともに昼食を取らなかったので丁度良かった
探偵業だけでは成り立たず、ここ最近は夜間のアルバイトを続けていた
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