ありえない時間にアラームがなった。止めてすぐ二度寝しようと伸ばした手が視界に入って、何でこんなに早く鳴らしているのかを思い出した。
「そうだった……俺いまふぅふぅちゃんなんだった」
そう言う声はちょっと鼻が詰まっている気がするもの、聞き慣れた彼のもので、まだ戻ってないのかとこめかみを軽く押さえた。
全然寝足りない身体を起こして、アラームアプリを落としてみると、ポップアップで動画が立ち上がったままになっていた。眠くなるまで、と、彼の動画で話し方や挨拶の仕方を見ていて、そのまま寝落ちちゃったみたいだ。
昨夜コラボをやってから翌朝にまた配信するなんて、早起きになれてない身体にはきつすぎる。
起きてるか、と寝室を覗きにきたふぅふぅちゃんに頷くと、「散歩に行ってくる」と言われたので手を振って見送る。準備に手間取ることを考えるとギリギリの時間での起床だった。
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