23:57の甘酸っぱい勇気。プロムナード。それは私たちの通うハイスクールで行われる行事の中で最も豪華で楽しくてロマンチックなイベントだ。彼氏はおらず、誘ってくれる男友達がいた、というのは私の高校生活そのものを統括しているようで、なんだか締まらないなと苦笑が漏れたのを覚えている。
「相手が決まってないなら俺と行くか?」なんて言ってくれたセバスチャンの前で笑ってしまったせいで、「なんだよせっかく誘ったのに!」と怒られたのが記憶に新しい。
プロムそのものは、話で聞いていたよりずっと、ずうっと楽しかった。お酒は飲んじゃダメよとか薬やってるやつらには関わらないようにとか、そういう小言は思い出すまでもなく平和に終わったし、ダンスも失敗して大恥をかくなんてことにはならなかった。
1953