Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    masasi9991

    @masasi9991

    妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど
    平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🐟
    POIPOI 414

    masasi9991

    ☆quiet follow

    暑い日の道タケ漣

    アイスの食べにくい食べ方 自分のアパートに入ってきて自分と自分の膝の上で寛いでいるタケルの姿を目に入れた途端、漣は「!」と怒りの声を上げた。
    「漣の分のアイスも、冷凍庫に入ってるぞ」
     冷蔵庫は玄関から入ってすぐだ。言うまでもなく漣はその場所を知っているし、必要だったら自分で開けて好きに中のものを食べている。しかし今日のお怒りはそんな問題ではないらしく、漣は冷蔵庫を素通りしてどすんどすんと大股に自分の方へやってきた。
     それで、タケルが枕にしているのと逆の方の自分の膝に、うつ伏せに頭を乗せる。
    「」
     唸って、睨んで、口を開ける。狙ってるのは、自分の食いかけのアイスらしい。
     今日は暑い。外から帰ってきたばかりの漣の身体も、熱く火照って触れてる自分は火傷しそうだ。
    「オマエ、アイスぐらい自分で取ってきたらどうだ」
    「チビだってらーめん屋に食わされたんだろーが」
     言い返されて、ぐっとタケルが口をつぐんだ。漣はきっと傍らのゴミ箱に空になったアイスのカップが入っているのを見て――名推理だ。
    「まあまあ。漣、自分の食べかけのでいいのか?」
    「さっさとよこしやがれ!」
     溶け始めて垂れた雫が落ちそうになっているミルク味の棒アイスを、漣の口元に近づける。すると漣は静かになって、舌を出して溶けたそれをぺろりと舐めた。それから首を傾けて、どうにか一口噛みつく。
    「漣、食いにくそうだな」
    「食いにくかった……」
     口いっぱいに冷たいのを含んだ漣の代わりに、タケルがぼそっと呟いた。確かにタケルのときも後半溶け始めてから、かなり危なかった。アイスは寝転がって食べるものじゃない。行儀も悪いし。
     でもこうして自分の手からアイスを食べているところがかわいくて、ついつい出来心と下心で。
    「らーめん屋ぁ」
     すぐに一口を飲み込んだ漣は、次、とは言わずに自分のことを呼んでいる。あーんと開いたその唇に溶けたミルクが付いている。そんな漣を見て、タケルが「しょうがないな」と呟き手を伸ばして唇の上のミルクを親指で拭った。そのまま自分で親指を舐めている。漣はそんなタケルに満足そうな目線を向けつつ、変わらず口を開けて次の一口を待っている。
     これで下心を持つなと言われても困る。そんなわけで、漣の口元へ再びミルク味のアイスを近づけた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator