お昼寝中断・再開 さむい。ムカついて起きた。
さっきまでここにいたはずのチビはどこだ? オレ様の、枕代わりに……いねえ! らーめん屋が作ったもこもこのクッションだけがオレ様の腕の中にある。
「チビ……」
「しーっ」
「?」
らーめん屋の声がして、そっちを振り返ったら見つけた。チビと、らーめん屋……。らーめん屋、いつ帰ってきやがった? そんでその膝にチビが、寝てる。クソ、そっちもいつの間に。
「漣もおいで」
らーめん屋が小声でオレ様を呼ぶ。そのニヤついた顔がうぜェ。だいたいなんでチビが先にそこにいて、オレ様が後なんだよ。
らーめん屋がチビを寝せてない方の膝をぽんぽん叩く。一応、オレ様が寝る場所は開けているらしいが……。
「まだ眠いんだろう?」
「オレ様の湯たんぽを勝手に取るんじゃねェ」
「湯たんぽ? ああ、タケルの体温、高いもんな」
らーめん屋の膝に近寄ってチビの反対側に頭を置く。これだとチビで暖を取れねーけど、らーめん屋も熱いからまァ許してやってもいい。
「漣もあったかいな。毛布はいらないか?」
「うるせ」
チビが起きんだろうが。小声でもらーめん屋の声はうるせーし、耳の奥に響くし、そわそわする。
らーめん屋はやっと黙って、天井の電気を遮るようにオレ様の頭に手を置いた。暗くなって眠るのにちょうどいい。それにやっぱ熱い。いつもより、だ。そこで寝てるチビの体温が、らーめん屋に移ってんのか?