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    masasi9991

    @masasi9991

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    夜の道タケ漣

    ##道タケ漣

    風景 五 隣でもぞもぞと動く気配がして、目が覚める。まだ、夜中だ。部屋は真っ暗だけど、気配と体温で動いているのはタケルだとわかる。
     ふと身体を起こしたタケルは、トイレにでも行くのだろうか……。半ば夢のようにぼんやりとそんなことを考えていると、起き上がったタケルがこっちを向いていることに気がついた。それから、すぐに布団の中へ戻ってきた。さっき起きたときと同じところへ。……と思ったけどどうやら違う。自分が目を覚ましたときより、ぽっと暖かくなった。タケルの体温だ。
     一度起き上がったタケルがこちらに寄りかかってきて、頬を自分の胸のあたりに押し当てている。心地いい重さだ。顔を覗き込むと、すっかり眠っているらしかった。うつ伏せ気味の背中も穏やかに上下している。きっとさっき起き上がったときも、寝ぼけていたのだろう。
     きっと、というのも……さっきから夜の暗い部屋の中で、薄いタンクトップ一枚をパジャマにしているタケルの身体が、うっすら白くぼんやりと光るようなシルエットで見えていて……その、身体の線と肌ばかりを見つめてしまって、タケルがはっきり起きていたのかどうかわからなかった……いや、暗さに目が慣れていないから、表情までは見えなかったんだ。そういうことにしておこう。
     半分眠った頭に浮かんだ煩悩から目を逸らして、もう一度目を閉じる。
     胸の上にタケルの腕がぐっと伸ばされたのを感じた。これもきっとただの寝相だ。胸に寄りかかった身体からは穏やかで規則的な呼吸と鼓動のリズムが聞こえているし……。
     と思っていたら今度は反対側から腰のあたりにゴロンと勢いのいい衝撃がぶつかってきた。目を開けなくてもわかる。これは漣が……どうしたんだ。さっきタケルが伸ばした腕が当たってその拍子に寝返りを打ったとか、そういうことのような気がする。こんな夜中に喧嘩をされるのはまずい。
     眠りかけた頭を起こして目を開ける。するとやっぱり漣がタケルとは反対側で自分の横腹にめり込むように伸し掛かっている。まあ、それはいい。腹を枕にされる程度なら、ちょうどいい重さだ。
     そして、その漣は……顔を覗き込もうにも、さすがにこの位置からは見えない。だけどそれ以上はピクリとも動かないから、恐らく熟睡しているということで間違いない。
     どうやら今夜はタケルが自分の胸、漣が自分の腰のあたりを枕に寝るつもりらしい。これなら寝相で喧嘩することもなさそうだ。
     そう安心しながらも、もう一度開けてしまった目が、漣の白い背中をなぞっていた。いや……服を着ないで、寝たがるせいで……。丸まった背中の背骨が滑らかに隆起する線が、暗さに慣れていない目にもしっかり見えていて……漣の肌があまりに白いから……。
     再度煩悩から目を逸らした。ぎゅっと目を閉じて、それから何も見えないまま手探りで掛け布団を引き上げて、タケルと漣のそれぞれの上にかぶせた。あんな薄着で布団も被らずに寝せたら風邪をひく。それに、そんなに無防備にされちゃ自分が眠れない。目のやり場に困る。もちろんしっかりと目は閉じたけど、それはそれとして。
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