すれ違うロドフ いるだろうな、と思っていたので、ローが目の前に現れても、特別驚きはなかった。おれたちの再会はこんな夜なのか、とドフラミンゴはぼんやり考える。しんしんと降り積もる雪の日。毛を逆立てそうな勢いでこちらを睨み付けてくるトラファルガー・ローをみて、奇妙な懐かしさが湧いていた。見る限り健康そうな……少なくとも痩せ細っていたり薄汚れているということもなく、もちろんその顔に、白い痣も見られない。怒り心頭といった様子のローがずんずんと近付いてきて、ドフラミンゴの胸倉を掴んでくる。一目で記憶があると分かった。そして今も、自分を憎んでいるのだろうことも。
「ドフラミンゴ」
呼ばれて、「あァ」と短く返す。ドフラミンゴに記憶がないなどとは微塵も考えていないからこそこんな暴挙に出ているのだろうが、あまりに前時代的なローの言動にドフラミンゴはつい笑ってしまった。それが癪に障ったのか、横っ面を殴られる。相変わらずのへろへろパンチに、やはり笑いを誘われた。それは更にローの怒りを増大させてしまったようだ。夜とはいえ人通りがないわけでなく、ドフラミンゴは暴れるローの首根っこを掴んでタクシーに押し込んだ。
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