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    道士様とキョンシー尾くん
    はっぴーはろうぃん!

    ##緑高
    ##小説

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    recommended works

    たまの

    SPOILERなんかエロいことをしないと出られない部屋胸ぐらを掴まれ、押し倒された。
     ……ええと、二十センチ以上も身長の低い、女の子から。
     強引に唇を重ねてくる。勢いまかせなので、思い切り前歯がぶつかり合う。色気もへったくれもない。ちょっと待った、という言葉は口にする前に封じられた。
     ……正直に言います、本気の抵抗はしませんでした。
     だってこの状況、ちょっとオイシイだろ。困る相手ならまだしも。何してくれんのかな、って、好奇心。これも正直に言ってしまうか、シタゴコロ、ってやつだ。
     懸命に貪られて、舌を絡め取られて。いっそ抱き返してしまおうかと頭をよぎったけれど、もう一度歯がぶつかったところではたと我に返った。舌、切れたんじゃないのか、今の。

    「――ちょっと待っ……ちぃストップ!」

     両肩を押さえて制止する。完全に覆いかぶさる状態だった彼女を、下から支えるような体勢。なんだろな、この状況、どう考えてもオイシイんだけどさ。
     腕一本ぶんの距離で引き剥がされた彼女は、まともにこちらを見ることもできない。耳、真っ赤だぞ。

    「そんながむしゃらにならなくても……」
    「でもっ、だって、こうしないと出られないって、この部屋……」
    「たしかに 1223

    たまの

    SPOILERここにいるよああ、これが、俗にいう「桜にさらわれる」ってやつかぁ、なんて。あたしは思ってたんだ。

     この冬は色々あって。
     ……ホント、説明が難しいくらい色々あって。
     ケンが、たまに遠い目をするのは、今に始まったことじゃないんだけど。
     その原因を、事件を、あたしと亜己ちゃんは目の当たりにすることになって。
     あたしじゃどうすることも出来ないんだなって。大事な同僚なのに、苦しんでるの分かるのに、ただただ自分が無力で、痛いくらい。
     今でも、思い出すだけで苦味がこみ上げる。でも、ケンにとってはきっとそれ以上の苦しみだったから、あたしはもう、何も言えなかったんだ。
     亜己ちゃんが背中押してくれなかったら。
     あたしは押し黙ったまま、潰れてたかもしれない。ここにいるよって。あたしここにいるよって、やっと言葉に出来て。ゆるやかに、氷が溶けるみたいに、あたしたちは日常へ戻ってこれたけど。
     冬が終わりを告げて、春めいた日が続くようになって。
     それでも思い出したように、ひんやりとした気持ちがよみがえる時がある。
     静かに桜を見上げているケンの背中を目で追いながら、あたしの気持ちどんだけ届いたのかな、自信 1172

    フルヤヒロキ

    DONE1新宿鶏事件
    2021-06-29 文字数増加により後編を合体
    1新宿鶏事件

    自宅のある埼玉県に行くなら地下鉄の方が簡単なのは解っているが、あの地下独特の圧迫感と今日のむしゃくしゃ具合につけて地上線をおざなりに選んで座っている。新宿駅は時々始発になっているので便利だ。と、新倉はぼんやり開いたままのドアをみている。さっきみた映画がレビュー以上に酷くて今日一日を台無しにしたという気持ちが大きすぎて、動く気力がわかないでいた。
    人の群れにそって歩く妖怪は少なくない。人が草木動物を愛でるように、新倉も妖怪でありながら人間を愛でて、その結果映画鑑賞が趣味になっているわけだが、レビューでボコボコにされてる映画に興味何故か惹かれお金を出してしまったというより、時間を無駄にしたという後悔をわかっていながらに作ってしまった事にひどく落ち込んでいた。カットのテンポも話の流れも無理が多くて途中からいかに口の中で一個のポップコーンを何回、数多く噛めるか、という実験になっていた。そのせいでスタッフロール中慌てて残っているポップコーンをたべるはめになった。みんなスタッフロール最中に席を立って出て行っていたので助かった。私も出たかったがポップコーンに罪はない、寧ろ救いだったナァ。ずっと塩バター派だったが名前を失念した甘い味も美味しかった。
    10530