竜と竜とその少年も、小生にとっては等しくただの子供だった。
小生、ハッサクと似たようにドラゴン使いの一族……それも直系の血を継いで産まれた彼と初めて会ったのは、お互い幾つの頃だったか。
『カキツバタ。彼がハッサク殿だ』
『こんにちはですよ、カキツバタくん。初めまして。ハッサクと言います』
『…………初めまして。カキツバタです』
人見知りなのか、オドオドと祖父のズボンを小さな手で握り締める様子は見た目通り幼くて。それでも失礼をしまいと礼儀正しく挨拶する姿がいじらしくて。
手を差し出せば握手に応じてくれた柔らかく温かい存在が本当に『子供』なのだと。
当時は教師になるよりずっと前で、あまり子供と触れ合ってきていなかったが……漠然と『守りたい、守らなければ』と感じた。
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