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    Rahen_0323

    @Rahen_0323

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    Rahen_0323

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    カキツバタとスグリと努力。もとい謝罪とお叱りです。ネタバレ、捏造、妄想、自己解釈注意。
    kktbtの日参加作品3作目です!前作前々作とは特に繋がりは無いので単体でも読めます!

    主役は誰紆余曲折ありながら、俺スグリはブルーベリー学園に復学した。
    幾ら強くなるのに必死だったからって、正気を失っていたからって、俺がリーグ部を荒らし回ってしまったのは事実。皆は俺の問題には無関係で、飛んだとばっちりだったろう。憎まれ恨まれても、自分が吐いた毒の数々のしっぺ返しを受けても仕方ない。覚悟は出来ていた。
    その上で、リーグ部に戻り皆に真正面から頭を下げた。自分なりに誠意を込めて謝った。

    結果、当然のように「許さない」と言う人も少なくなくて。

    でも思ったよりは皆好意的で、向き合ってくれた。許さずとも、想像していたような暴言や暴力は無く、それどころか「もういいよ」と笑ってくれた人も多かった。

    誰にも許されないと、きっと歓迎などされないと思ってたのに。謝罪行脚が終われば、部内の殆どは普通に話して接してくれた。

    クラスも時折なんとも言えない視線を感じるが、アカマツが積極的に絡んでくれるお陰もあって特に誰とも険悪にもならず。

    「わやじゃ……思ってたんと違う」
    一時は退学も考えたくらいだったのに。皆ちょっとお人好し過ぎねえか……?と逆に頭を抱えた。
    俺が彼らの立場だったら、きっとここまで寛大な対応は出来ない。恨み言の一つや二つ飛ばしても文句なんて無いのに。
    「いや、いいんだけど……喧嘩にならねえならその方が絶対いいんだけど」
    なんか、誰かの作為を感じるというか、何処か不自然というか。得体の知れない違和感がある。
    人の少ない部室にてうんうん唸っていたら、ふと出入り口のドアが開いた。
    「ふぁあ〜〜………おーっす皆ー、お疲れーい」
    「あ、カキツバタ先輩だ」
    「こんにちはーツバっさーん」
    現れたのは、ブルベリーグ暫定二位四天王にしてリーグ部長に戻ったカキツバタだった。
    彼は欠伸をしながらへらへら部員に挨拶して、いつもの定位置に座る。
    「おはよーさん、元チャンピオン!」
    「それ止めろ……しかも『おはよう』って、もう昼だべ」
    「まーまー細けえことはいいだろぃ!」
    隣から覗き込む相変わらずのニヤケ顔に辟易する。
    この男は、苦手だ。いっつもニヤニヤして人をおちょくって揶揄って、そのクセ人の機微に敏感で……なんでも分かってますって目をしてて。

    なにより、『持ってる側』の人間で、なのに爪を磨がない怠惰なヤツなんだ。

    色々吹っ切れたとはいえ、彼のような人間への苦手意識だとかやりづらさとかは簡単には拭い切れず。

    「なんでぃ元チャンピオン!熱烈な視線向けちゃってえ」
    「うざ……」
    しかもこのイジりだ。謝りたいのに、出来ることなら仲良くなりたいのに、どうしても難しい。
    俺のことが嫌いなのはいいけど、仕方ないけど。嫌味の割に顔はニヤついててどういった感情からの絡み方なのか読めなくて、真意が見えなくて、ウザくて苛々して。
    大きな溜め息を零しながら、もう勉強して誤魔化そうとノートを広げた。
    「おー?お勉強ですかぃ?偉いねぃ」
    ……これも分からない。うざったい言い方なのになんとなく悪意を感じない。なんなんだこの男は。
    「お前も偶には勉強さしろよ。また留年すんべ」
    「へっへー、もっかい留年したらお得だな」
    「なにが????」
    俺も俺だ。言いたいことは沢山あるのに、出てくるのはチクチクした言葉ばかり。これじゃチャンピオン時代となにも変わらない。
    そうだ。突然だって笑われてもいい。今更だって呆れられてもいい。人の目なんて気にしてられない。謝らないと。今日こそ、ちゃんと。一番酷く当たっていたカキツバタに謝罪の一つも無いなんてダメだ。
    「あっ、あのさ!」
    「あ、ここ間違ってんぜい」
    「え!?何処!?」
    「こいつぁよくある引っ掛けでなあ。使う公式はこれじゃなくて……」
    「わやじゃ、よく見たらホントだ……!!」
    ……そうじゃなくて!!
    わざとらしく、しかし本当の指摘を入れてアヤフヤにしようとするちゃらんぽらんを睨む。
    「べ、勉強教えてくれるのは、嬉しいけど!その前に!」
    「おーおー元チャンピオン様ってば顔真っ赤にしてえ!オイラなんかしたっけ?」
    「だからその呼び方……!!」
    くそッ、また!!なんで「ごめん」の一つも言わせてくれねっかなあ!?
    なにも不都合とか無えだろ!!ただ俺が!!「ごめん」って言って!!カキツバタは許すか許さないかを決める!!返事によっては俺は、アレだけど、カキツバタが困るようなことはなんも無えべ!!なんなんだよ!!
    叫びたくなるも、叫べばまたのらりくらり流される予感がした。それにそんなの謝りたい人間の態度じゃない。我慢我慢!流されるな!熱くなるな!
    「俺……!!カキツバタに、」
    「スグリ」
    「!!」
    冷静さを保って口にしようとしたその時だった。
    カキツバタは珍しく俺の名前を呼んで、鋭い金色の目で見据えてきた。
    「……っ、な、なに?」
    つい怯みながら、向こうの出方を待つ。「謝罪を受け取る気は無い」と言う人も居たのを思い出したからだった。
    カキツバタがそんだけ怒ってるなら、躱さずにハッキリ言ってくれるなら、俺はもう諦める。そのつもりで黙った。
    ……最強"だった"男はガシガシ頭を引っ掻いて、悩む素振りをして立ち上がる。
    「場所変えようぜ。オイラも多少は外聞気にするんでね」
    「………………分かった」
    外聞というのは、カキツバタ自身のか、それとも。
    深読みしかけたけど、とにかく荷物を仕舞って出て行く彼の後を追った。

    (なにもかも俺が悪いんだ。なに言われても受け止めねえと。償わねえと)

    改めて決心しているうちに、カキツバタはテラリウムドームまで出た。

    ……歩き続けて到着したのは、電気石の岩窟。広い洞窟で、人通りはそこまで多くない場所だ。
    カキツバタはてちてち寄ってくるバチュルやプラスルを構いつつその辺に腰を下ろした。
    「ほら、お前も楽にしろーい」
    「……分かった」
    なんだか隣に座るのも気まずいので、立ったまま壁に寄り掛かっておく。カキツバタは変わらずニコニコしてた。
    「さてと。……そんで?スグリくんは一体オイラになにが言いてえんですかーい」
    「……!」
    やっと聞いてくれる気になったのか。
    俺は安堵と緊張を覚えながら、しかしいつかのように目の前の男から目を逸らさず、伝えた。

    「ごめんなさい。沢山迷惑掛けて、酷いこと言って、ごめん」

    ……あの主人公と出会うまでは、何処かこの男に憧れている自分も居た。
    いつもダラダラしてるのに強いチャンピオンが、特別に見えて。なんだかんだ面倒見が良く沢山の人に慕われている姿が、理想的で。例え圧倒的な差で勝っても決して相手への敬意を忘れない態度が、カッコ良くて。
    それでも俺は、その頂点として最低限必要だった心構えを忘れ、全てメチャクチャにしてしまった。壊して、壊して、その上最後には呆気なく負けて……ブルベリーグからの除名も、人によっては無責任に見えただろう。

    だから償いたい。許してくれなんて言わないから、せめて皆がまた楽しく笑えるような部活に、貢献したい。

    「本当にごめんな、カキツバタ」

    深々頭を下げる。普段温厚な彼も、実際かなり怒っていたのは反省しているうちに気付いた。些細な違いだったけど、あの頃の俺と話してる時はいっつも怖い顔してたし……

    お辞儀したまま待っていたら、やがて深い深い溜め息が。
    どんな発言がされるのか、瞼をギュッと閉ざして身構える。

    「顔上げろよスグリ」

    「……………………」

    『許す』とも『許さない』とも言われず、けれど向こうが望んだことだからと姿勢を戻す。

    「そうだなあ、先ず前提として」
    「?」
    「お前は自分が間違ってたってちゃんと気付いて、反省したんだな?」
    「う、……うん。そう、だ。俺は…………主人公の幻見て、勝手に嫉妬して、勝手に頭おかしくなって皆を巻き込んで……間違ってた。あの頃に限っては、カキツバタがいつも正しかったよ………」
    「『あの頃に限っては』て。まあいいや。じゃあまあ、こっからオイラが言うことは余計なお節介だって聞き流してくれても構わねえが」
    首を傾げると、カキツバタは寄ってきていたマイナンをヒョイと抱き上げてその目を見つめた。
    そのまま俺の方は見ずに続ける。

    「努力の形や、努力で得られる成果は人それぞれだ。『誰でもやれば出来る』ことなんざこの世にゃ一つだって無い。誰かにとっては簡単でも、誰かにとっては難しいことなんて山っっ程ある。あん時のお前やお前以外の全員も同じだ。お前が出来る努力を皆が出来るとは限らない、そんなの当たり前の話で。仮に出来たところで、それでお前と同じチャンピオンになれた保証は一切無い」

    「…………!!」

    「努力して出来るようになるなら皆やってるだろ?羨んで真似したところで到底追い付けない。追い付ける確証が無い。それが"才能"ってモンだ。そいつは今のお前が一番分かってる。だろぃ?」

    ……その通りだ。俺に出来たならって皆に押し付けても、本当に皆がその気になったとしても、皆が皆同じ努力で同じ強さを得られるとは限らない。

    それは主人公に敗れた俺と、俺に負けるまで無敗だったカキツバタという男も体現していた。

    「今だからこそぶっちゃけるけどな。オイラだってお前に勝つ為にそこそこ頑張ったんだぜぃ」
    「えっ、…………え?」
    「知らなかっただろ。タロ達は気付いてたがな」
    知らなかった、本当に。
    カキツバタが努力?俺に勝つ為に?皆は気付いてた?
    「他の連中だってそうだ。お前に余裕が無かったから気付かなかっただけで、皆怠惰になにもせず過ごしてたわけじゃねえんだよ。お前が言うように『弱いまま』で居てやろうなんて甘えちゃなかった。だってここはバトル強豪校だぜ?急にトップになった独裁者に好き勝手ボロクソ言われて振る舞われて、嬉しいわけがねえ」
    「……………………」
    「ま、それでもお前には及ばなかったがな」

    結果が全てだとしても、お前が強要した『皆の努力』を認めろ。謝る前に、先ずは誠意を持って知れ。

    いつになく真面目なトーンで告げられ、俺は拳を握り締めた。
    他の誰でもない、自分が情けなくて。馬鹿みたいで。

    「バトルも、勉強も、運動も、ゲームなんかもなんだって努力すりゃある程度は反映されるだろうさ。でも努力じゃどうにもならないことだってある。生まれ持った能力が全てとまでは言わないが、『頑張ったら出来るだろ』なんて所詮出来る側の人間の戯言に過ぎねえ。そもそもしたくても努力出来ないヤツだって居る。努力した結果へし折れたヤツだって居る。…………『努力』ってのはよ、お前が思うほど確実でも正義でもねえんだよ」

    分かってる、つもりだった。
    でも改めて突きつけられると、如何に自分が自分と主人公を盲信していたのか実感するようで。

    「オイラだって……結局『才能』の前には単なる有象無象だったしよ」

    「………………………………」

    「オイラも、お前も、きっとキョーダイも。弱くはないが最強なんかじゃねえ。一番強いヤツなんて簡単には推し量れないモンよ」

    この男も、強さを求めて頑張ったことがあるのだろう。

    俺とはなにもかも違くとも、確かに主人公と戦ったのだから『才能』は知ってるのだろう。

    いや、それとも今よりももっともっとずっとずっと前から、計り知れない天才とぶつかっていたのだろうか?

    「一つだけ訊きたいんだけど。結局お前さ、キョーダイに勝ってどうしたかったんだ?」

    「………そ、れは、…………」

    今となっては、『分からない』としか言えない。
    アイツを見返したくて、俺だって主人公のようになれるって証明したくて、ただ必死に強くなって。
    強さだけが主人公の全てじゃないなんて気付かないまま、ハッとした頃にはああなってて、止まれなくて、戻れなくて、戻ったら今度こそ終わる気がして。

    飢えて、渇いて、苦しくて、狂いそうで、……仮に勝ったとして、その後どうするかなんて……自分がどうなったかなんて、今はもう、よく、分からない。一生分かる気もしない。

    「そうかい」
    正直に伝えたら、彼はまた溜め息を零して。

    「分かんなくなったならいいけどよ。……償いたいなら、前みたいなリーグ部に戻したいってんなら、ただ頭下げて受け身になるだけじゃダメだろ。もっと皆のこと知って、皆の気持ちを聞いて、飲み込むんだ。なんでも従えって話じゃない。所詮お前も皆もガキだ。腹いせに無理難題持ち出すヤツも居ると思う。だから、無理な時はお前も無理って言うんだ。情けなくてもプライドが許さなくても馬鹿にされても、正直に素直に誠意を持つ。それがお前に出来ることだと思うよ」

    「…………わ、分かっ、た……」
    まるで年上みたいに教えられて、頷く。
    「キョーダイにもだぞ」
    「へ、」
    「まさか許されたから終わりとか思ってねえよな?オイラが言えたことじゃねーけど、アイツだって十分とばっちり食らってんだ。巻き込んだオイラもそういう環境作ったお前も、アイツの優しさに甘えるなんざ許されねえの。償いってそういうモンだろぃ」
    「…………そう、だね、うん……確かに、そうだべ」
    「まあ今更堅苦しくなっても困らせるだけだから、具体的にどうするかはお前が自分で考えろ。オイラもゼイユも庇わねえからな」
    「うっ、は、はい……」
    「キョーダイに関しちゃ『沢山バトルしよ!』で終わりそうだけどねぃ!オイラも明日にリベンジマッチ申し込まれてるしよ!お互いご期待に沿ってやらにゃなあ!」
    「はは、まあそれがアイツらし………ん?」
    俺も俺で真剣に聞いていれば、ふとカキツバタが妙な発言をした。

    リベンジマッチを?"申し込まれた"?

    カキツバタが頼んだんじゃなくて?

    「なに言っ、……え、ま、まさか…………!?」
    「あれ?言ってなかったっけ?オイラ先週キョーダイに勝ったのよ。初白星ってやつ?」
    ………なっ、な、な!?!?主人公が、カキツバタに負けた!?!?!?
    「う、嘘だべ!!」
    「本当だって。なんなら動画観る?」
    「い、嫌だ!!観ない!!だって、えっ、カキツバタ、俺よりも、」
    「『俺よりも』?なんだって?」
    続きそうになった明らかな見下しに、慌てて自分の口を塞ぐ。
    恐る恐るカキツバタの顔を見たら、

    さっきまでの神妙さは何処へやら、ニヤニヤと胡散臭くうざい笑みを浮かべていた。

    「〜〜〜〜っっ!!」

    俺は頭をブンブン振る。
    そうだ、カキツバタだって元チャンピオンだ。強いんだ。たった何度か俺に負けただけ。あの時より強くもなってるだろうし、決して俺より弱いなんて。

    主人公も。カキツバタが言ったように、最強無敵なトレーナーなんて、簡単には決まらないしきっと居ない。

    「カッ、キツバタ!!」
    「はぁい。カッキツバタでえす。なに?」
    「俺と!!勝負さして!!」

    なによりも。強い弱いとか、勝ち負けじゃない。

    楽しくバトルしたい。いつかのように、誰とでも、負けても、笑顔で。

    このタイミングで我儘だったかもと冷静になった頃には、カキツバタは立ち上がって俺の頭をポンと撫でていた。

    「勿論よ。期待裏切ったら泣いちゃうぜい?元チャンピオン!」

    「っ、あったりまえだべ!!」


    …………あ。結局コイツ、許すかどうか、一言も。


    バトルが始まってからそのことを思い出したものの、眼前で心底楽しそうに笑う男を見ていたら、なんだか今考えるのも違う気がして。

    (うん、許されたかどうかじゃない、べな。カキツバタがどう思ってっかは分かんねえけど……どっちにしても、俺がやらなきゃいけないことは同じだべ)

    きっとこの男の努力に報いよう。散々暗躍してくれた元々チャンピオンに。叱ってくれた年長者に。

    多分、おれを守り続けてくれたのだろう彼に。

    「ブリジュラス!!"りゅうせいぐん"!!!」
    「カミツオロチ!!"きまぐレーザー"!!!」

    俺はまた一つ大事なことを学んで、痛感させられて、それでも本気で楽しくバトルの決着を見届けたのだった。
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    Rahen_0323

    MAIKINGカキツバタが居なくなる話六話目です。完全シリアス。捏造過多でなんでも許せる方向け。
    シリーズなので「アレは死んだ(一話)」「SOS?(二話)」「堪えた悲鳴(三話)」「円盤(四話)」「王者(五話)」から読むことをオススメします。
    気付いたらこのシリーズ一ヶ月止まってたらしいです。申し訳ねえ。色々間違ってないか不安になりながら投稿してるので後から修正入る可能性があります。
    愛と後悔「先ず、一番重要な点から伺います。……カキツバタくんは、死んだんですか?」
    僕が念の為覚悟を胸に静かに問うと、スグリが怖い顔になり、アカマツくんがギュッとフライパンを握り締めた。
    アイリスさんはそんな僕達を順に見て、言葉を選ぶように暫し沈黙して考え込む。
    数分にも数時間にも感じた静寂が過ぎ去った後、飛んだ答えはこれまた不可解だった。

    「私も、死んだのだと聞かされました。でも生きてると思う」

    僕達三人は視線を交わらせる。
    そんなアイコンタクトには気付いているのだろう。イッシュの女王は大きく息を吐き出して続けた。
    「ご存知か分からないけど、私はソウリュウシティの出身でもドラゴン使いの一族の生まれでもないの。竜の里という場所から来た、所謂"余所者"。お祖父ちゃんの後継者だからって、そこは変わらない。だから……一族の仕来りにはまだあまり詳しくなくて。関わることが無かったわけじゃないけど、仲間外れにされることも多いの。あくまで"後継者"で本当に当主になる日も決まってないから、尚更」
    3010

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