花言葉9月。夏休みが終わって学校が始まり出す時期。
俺は学校が始まると必ず、誰よりも最初に教室へ向かう。椿の席へ行く。花を飾った花瓶を置く。—そう。俺は椿をいじめることにした。だって孤独にすることで友達である俺に助けを求めてくれる。そう思ったんだ。今日の花は黒い薔薇。
でも椿は俺に助けを求めるどころか、他の奴らとも話さず、ただ1人、本を読んでいた。
俺はそのまま話しかけず、そのまま時間が過ぎて行った。
いつの間にか帰宅時間になっていた。椿はもう帰っている。花瓶の水と花を持ち帰る。
次の日も、早く教室へ行く。今日はリンドウ。そして今日からは、クラスメイトも便乗してきた。
だが、今日も椿は同じ。だから話しかけてみることに。
「椿、最近元気無いよな。大丈夫か?」
と。すると椿は
「…今は…話しかけるな…」
…相当、精神的にダメージが来ているようだ。…もうすぐなのかなと思ったと同時に、何故今話せる友達なのにこんなに嫌がっているのだろう、とも思った。
そんなことが続いて、8月の下旬のある日。
今日はスグリにしてみたのだが、中々椿が来ない。
そのままホームルームが始まり、先生が口にした言葉。
「昨日、本田椿さんが踏切での事故により亡くなりました。」
そんな…嘘だ。絶対。椿は死んでなんかいない。
椿がいなきゃ俺は…
そのまま1日が過ぎ去る。花瓶の花を持ち帰る。椿の家へ行く。
インターホンを鳴らしても、誰も出ない。椿は1人暮らしだ。
…なんだか呼ばれた気がして、ある踏切へ向かう。
そこには半透明の椿がいて。遮断機が降りてきたけれど、その遮断機を無視して踏切内へ行く。そして俺は電車で轢かれた。
これで、やっと。椿と一緒になれた気がした。