愛と海の境界線あの日、俺は海の中に水面を明るく照らす陽の光が落ちてきたのだと思った。
オレの誕生日になると親父は全国各地の商人を集めて、誕生日プレゼントを持ってこさせ、オレがその場で一番気に入ったものを買ってくれる。今年はオレが10歳だからか、例年になく豪勢だった。可愛くて珍しい動物に始まり、色とりどりの宝石、見たことも着方も分からない洋服、そして、綺麗な女性たち。
椅子に座ったオレの目の前で商人達はこれはどうだと意気込んで、商品を差し出してくる。オレは膝の上にいる親友のにゃことああでもないこうでもない、これはどうか、あっちの方が好きかと話し合っていた。
にゃこは偉大な海賊が残した宝の地図か、未知の技術が記録されている金属の円盤が良いのではないかと言うが、オレは正直どちらもとても欲しいとまではいかなかった。というよりも、どんなに珍しい物であろうと毎年毎年たくさん見せられると目新しさが無くなって飽きてしまう。現に去年は「これで良いかな」という気持ちでプレゼントをもらった。
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