旬「最上ハンターは香水と煙草がちょっと…」R18なし 犬旬
システムから通知される『レベルアップしました』は、もう見飽きてしまった。
100を到達したあたりからは、メッセージは読まなくなってしまい、目の前にいるモンスターを狩り続ける。
自分が倒さなければ、皆が死んでしまう。自分が行かなければ。
自分自身に呪いをかけるよう言い続けていた。
ボフンという音と共に、旬の体は煙に包まれた。
『王よッ―――!』
慌てて煙の中へと突っ込んで行ったベルは、悲鳴と共に出てくる。
腕の中に抱きかかえられていたのは、黒い毛で覆われた青い瞳のポメラニアンだった。
頭を抱えたイグリット、慌てふためくベル。そして何も分かっていないアイアンとタンク…。キャンキャンと鳴く旬(ポメラニアン)は容赦なくベルの手を噛んだ。
2018