生理痛のみのり(恭二目線) みのりさんが腹を抱えてじっとしている。面白さを耐えているわけでもないし、重い一撃をくらったわけでもない。月に一度のあれだ。俺も重い方だからわかる。でも、みのりさん、いつも軽い方なのに。
「ホッカイロとかいります?」
「うーん、夏にそれは……熱中症になりそう」
寒気はないのか。みたところ、腹部の痛みだけらしい。俺は事務所のキッチンで白湯を沸かす。今日は打ち合わせだけの予定だ。ダンスレッスンがなくてよかった。
「めずらしいですね、みのりさんがそんなに重いの」
「最近コーヒーたくさん飲んでたからかなあ……ありがとう」
俺から白湯を受け取ったみのりさんは、両手でマグカップを包み込んで、その熱を味わっていた。顔も青白い。同じ痛みを知っている者として、さぞかし辛いとわかるのだが、こんな時なにも出来ないのが歯がゆい。
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