メチナ伝説プロローグ
「お母さん、私はいくわ。もうみてられないの」
「そうは言っても…メチナ、確かにあなたは強大な力を神様の加護で授かっているけれど、あの憎き悪魔どもはもっと強大な力を持っているわ。」
「それじゃ見放す理由にはならないわ」
そう言ってまたカバンに食料品を詰め出すメチナ。一通りの荷造りを済ませ、カバンを肩にかける。母親は躊躇いながらメチナ用に村の鍛冶屋が作ってくれた剣を倉庫からだし、メチナに持たせてやった。鞘に埋め込まれた赤い透明の石がキラリ、と光を反射して輝く。剣を腰に携え、箒を持ち、家を出て行ったのだった。