Until The Stars Fade“Until the Stars Fade” – The Night They Moved Together
キャビンの中の静寂は完璧だった。
冷めた静けさではない―暖かく、本音が溢れ出した後のような空気感で満たされてい
る。例え実際に何も話されていなかったとしても。
暖炉の火は小さな炭と化して、木の床とベッドの上に琥珀色の長い影を投げている。ひ
びの入った窓は僅かに開いていた。小風がささやきのように部屋の中を吹き去っていく。
サムはマットレスに仰向けになって寝転がっていた。裸の胸をさらけ出してゆっくり息
をしている。バッキーはサムのすぐ隣で、膝を立てて座り、サムだけを見つめていた。彼の腕―肉の右腕と、鉄の左腕―サムの肌の上で揺れている、まだ地肌には触れて
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