雪之丞MAIKING生理痛の呪霊を取り込んだ夏油の話その日夏油は都内の女子校にいた。トイレに呪霊が発生したのを窓が確認したからだ。女子校ならば女性の呪術師が派遣されるべきでは?と思った夏油であったが万年人手不足の呪術界だ。手の空いている呪術師が派遣されただけ。他意はないだろう。それにトイレに出る呪霊とくれば花子さんかもしれないと意気揚々と現場へ参じ、任務を遂行した。残念ながらお目当ての花子さんではなかったが1級相当の呪霊であったため手持ちに加えようといつものように飲み込んだ。しかし、それがいけなかった。高専に戻った夏油を体調不良が襲った。頭痛に吐き気、微熱もあるようだった。そして何より下腹部が重く痛む。急な不調に思い当たるのは先程取り込んだ呪霊だ。調伏しきれず消化不良のように体調に異常をきたすことはままあった。時間が経てば馴染むだろう、そう思い怠い身体をベッドへ預けた。朝。目が覚めた夏油が見たのは真っ赤に染まったシーツだった。どう見ても血液のそれに、どこからの出血だ?と自らの身体を弄った。腹は痛むが切り傷などはない。ではどこだ?ふと尻の方に不快感を覚えて見遣ると履いていたスウェットが血で染まっていた。嫌な予感がして恐る恐る下 592 1