局員危機対応力チェック 局外任務を終え、本部に戻ってきた春時は大きなあくびをひとつした。彼の後ろを歩くアダチは手帳を開き、何かを書き込んでは首を捻っている。
「ハルさん起きてるなら報告書書いてよー。僕今ちょっと溜め込んでて……」
「んー……あ、ヨシミ、これ」
春時はある張り紙の前で足を止め、まるで吸い寄せられるように顔を近づけた。広報部による局内公募、という記載がアダチにも見て取れた。
「ヨシミ、これ面白そうだよ。やろうよ」
「僕は仕事が山積みなんだけど」
「企画はハルが考えて提出するから。ヨシミはハルが言うことをやればいいから」
「えー?」
張り紙には局員や能力保持者のイメージアップをはかる作品を募集、と書いてある。作品の形式は自由で、応募の際に企画書の提出が求められている。
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