秋の贈り物身体の節々に存在感のある重みと温もり感じて、ぶるぽんは目を覚ました。目を覚ますといっても、見た目の上では常に目は開きっぱなしなのだが。
「ア! ブルポン、オキタ」
「オハヨー」
腹の上やら頭に乗っていたり、腕にしがみついていた小さい生き物がわいわいと喋り始めた。人間の手のひら程の大きさのぶるぽんよりさらに小さい、親指ほどもない彼らは妖精さんというらしい。
南陽殿の小神官の姿を模したぬいぐるみであるぶるぽんや、玄真の小神官、それぞれの将軍たちに、彼らはよく似ていた。
たまにどこからともなく現れる彼らを、ぶるぽんは小さな友人として可愛がっている。
「オハヨ……」
ぶるぽんは身体を小刻みに震わせながら、よっこいしょと起き上がった。ぶるぽんの動きに合わせて、妖精たちがぽてぽてと床に着地していく。
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