「俺たち、恋人になりましょう?キスだって出来ますよ」「キッショ。スベッてんで自分」
俺が侑さんに告白して帰ってきた言葉。こっぴどく振られた。好きになってしまったと伝えた。だって、あんなにかっこいい人に対してあんなに優しくされたら誰だって絆される。
「翔陽くんやぁ〜」
俺を見つければそう言って近づいてきてくれた。肩を抱かれて、ニコニコして、でっかいワンコみたいに懐いてくる人だと思った。けれど、もちろん頼もしい先輩で、困っている事はバレー以外の私生活でも助けてくれた。そして俺を高く高くとばす綺麗なトスを上げてくれる尊敬するセッターだ。俺を自由に導いてくれる人だ。
俺は男だけど、多分、男が好きなのだとブラジルで気付いた。背が高くてガタイが良くて顔がカッコいいあなたみたいな人がタイプなのに。
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